商売道 伊吹流

 

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伊 吹 卓

 

成 功 理 論

(2) 苦 情 法
 

 「苦情」と聞くと、とてもイヤなもの。自分の評価を下げるもの…と、端的に考えてしまいがちですが、実のところそうではありません。一番の問題は「苦情には際限がない」という勘違いです。ハッキリ申し上げると「苦情」には限りがあります。どうすれば売れるか?と「売れる条件」をいくら聞いても、嫌いな部分があるとその商品は嫌われてしまうのです。つまり、お客さんが「買わない」から「売れない」わけです。逆の言い方をすると「嫌いな部分」がなくなると「買わない理由」がなくなります。何事も同じです。「買う理由」があるのではなく「不買動機」があって買わない=売れない。この図式が成り立っています。そう言い切れるのは、嫌われる理由を潰し切った商品が、いままで爆発的なヒットを飛ばした事実。また、例外がないという事実があるからこそ、断言しているわけです。

たとえば、100名の人に「このお試し商品のどこがイヤですか?」と質問したとします。100通りの答が出てきそうですが、ほとんどが同じパターンで、せいぜい5種類程度の答しか集まりません。カンタンにいえば、その5つをクリアすれば売れるようになるのです。私たちは、苦情を2つのものに分けて考えています。1つは「後手」に回って、お客さんのほうから連絡が入るもの。これは、素直に「クレーム」と読んでいます。そして、もうひとつ…。お客さんのほうに、こちらから聞きに回って、事前に「売れない理由=不買動機」を潰すために集めた苦情…これを「コンプレイン(ニーズ)」と区別しているのです。

日本人は本当のことをいわない民族と何度も繰り返していますが、そんな人たちに「ニーズを教えてくれ」と、いくら頼んでも、自分が嫌われるようなことを、わざわざ言うひとなどいらっしゃいません。しかし「買わない理由を教えてください」と言えば、ニーズと逆の言葉を教えてくださいます。これぞ、まさに「ニーズの収集」にほかならないわけです。しかも、ニーズには限りがあります。100名に聞いても、実際にまとめてみれば、数通りの要素しか集まりません。ご要望が多いものから優先して手直しをしていけば、売れない理由が消えていきます。そうやって改善をしているうちに売れるようになってしまいます。

もうひとつ。苦情聞きには絶大な効果があります。「何かご迷惑をかけていませんか}という、こちらの一生懸命な問いに答えてくださったお客さまは、不満をぶちまけてスッとします。さらに、どこかで「申し訳ないな…」という気持にさえなります。「言いすぎたかな…。お詫びに発注しようか…」という、もうひとつのニーズがお客さんの心の中に芽生えます。超一流のトップセールスマンの場合、これだけのパターンで常連のお客さんをドンドン作っているという方々ばかりのようです。

図5
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思ったこと、相手を傷つけることを避ける。という独特な文化を持つ日本ならではの「ニーズ収集法」の根幹が、この「苦情法」なのです。そして「何かご迷惑をおかけしていませんか?」という一生懸命に質問して集めた「先手の苦言」を「コンプレイン=ニーズ」と言うのです。

前項の「イメージギャップ」にしてもしかり、自分、自分が開発した商品、自分のセールススタイルなどの評価を自己採点するのではなく「私のバージョンアップのためにあえて厳しく採点してください。」と色々な方々にお願いして、集めた評価の平均値こそ「真の評価」であることも、ここで申し述べておきたいと思います。



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