商売道 伊吹流

 

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加 納 光

 

販 売 促 進

【 販 促 設 計 】

こんなに良い商品を作ったのですが、ちっとも売れません。セールスマンも優秀なのですが… どうしてでしょうか? というお問合せをいただくこともあります。こういう時は「売るタイミング」と「売り方」を間違っている…というケースがほどんどです。お勧めしたほうが良いタイミングと、勧めてしまうと欲しくなくなってしまう…というタイミングがあるのです。商品を安くすれば売れる!という端的な考え方もありますが、実はそうではないのです。ひとつずつ図Gの流れを順を追って説明していきたいと思います。

図K
chartG

 

【導入期】 価値訴求

この時期は、この商品にどれだけメリットがあるのか! これを使ったら、どれくらい便利になるのか楽しいのか!という「価値」をアピールする時期です。プラズマテレビなどが発売された当初は「画質がこんなに美しく、こんなに薄いのです!」と、ただ、それだけを一生懸命にアピールしていました。価格だの何だの…。そういうことは何も伝えられず…。今の時期ならば「有機ELディスプレイ」などがそれにあたるのかもしれません。「こんなにステキ!」「こんなに便利!」ただ、それだけをアピールする。決して「買ってください」とは言わない。「良いですよ!」ただそれだけをアピールするステップからスタートするのです。この時期に「商品価値」をアピールするものがなければ、次へつながっていかないのです。

【成長期】 ボリューム

お店でいえば、品揃えということになるでしょう。今、ちょうどこの時期にあるのが「Will」というゲーム機かもしれません。ソフトがドンドン登場しています。なぜ、ソフトが登場しているのか? それは、加速度をつけるために少しでも多くのボリュームが欲しいからです。ここは、オピニオンリーダーと呼ばれる「流行発信組」にどれだけ早くアピールできたか?が勝負の分かれ目になります。ここは「買ってください!」としっかり勧める時期です。ただ、ここでボリュームがなければ、あれは大したことないや…という話になりかねません。ここでどれだけムリをしてボリュームをつけるか…そこピークでの大きな業績につながっていくのです。

【ピーク】 価格訴求

携帯電話の普及が早まり、飽和状態になった時、一時期「〇円」というチラシが恐ろしいほど配布されたことを覚えていらっしゃる方も多いと思います。ピークになると、どれだけ早く、どれだけ多く普及できるか?ということが問題になります。ここでは「価格」以外にアピールすることは無意味になります。他社と差別化するのであれば、価格以外に方法はないのです。また、ここで「良いですよ…。買ってください。」などと商品を勧めることもタブーです。放っておいても価格が安ければ、ボリュームがあるところに必然的にお客さんは集まる…という原理で動いているからです。つまり、ピークの時に、一番であること… 他に、このピークをプラスに転じる手だてはないのです。

【処分期】 価格訴求

この時期は、2つの展開が必要になります。ひとつは今までの形の商品をいかに早く売り切ってしまうか…という方法です。何よりもこれが最優先されます。そして、ここからがもうひとつの手だてです。ブームが終った商品は細分化されていきます。たとえば携帯電話がそれです。カメラなし携帯。お子様用携帯。老人対応携帯。ビデオ付き携帯。防水携帯。ワンセグテレビ付き携帯。と、用途によって使い方が細分化されていくのです。解りやすいもうひとつの例は、家具かもしれません。今までは「ソファー」「ダイニングテーブル」などという商品カテゴリーで販売されていたものが、「イタリアンモダン家具専門店」「カントリー家具専門店」などと、趣味趣向での細分化が始まっています。

 


 

【一年は、365日。週にすると52週】
 

この商品サイクルを活用して考えられたのが、流通での「仕入れ計画」です。

図L
chartK

 

上の図は、秋〜冬の洋服の売上をグラフにしたものです。そのサイクルの長さや大きさが違っています。とはいえ、毎年、おおよそ、どの週に何がどれくらい売れるのかは、予想がつきます。ピークを高くしたければ、成長期の時点での品揃えが問題になります。そうなるとすれば、さらにその前の時期に、どれだけ提案をしておくのか… ということが大切になります。

広告を打つ時に考えなければならないことは、いくらの費用をかけようと、金閣に効果は比例しない…ということです。同じ広告で、このピークを、広告を打つよりも105〜110%にすることはできます。つまり、売上の占有率が高いものに広告経費を投入したほうが効果的であるということがわかります。また、広告だけでは売上があがらないこともご理解いただけると思います。こういった話…。大手のGMSやコンビニエンス。デパートなどでは、ごく当たり前の常識となっているのです。そういう大型店に対抗するのであれば、さらに早い仕掛け、さらに専門的な仕掛けが必要になることは言うまでもありません。とはいえ、チェーンオペレーションで動いている大型店が、手を出したくても出せない分野もあります。狙い目や抜け道は、ないわけではありません。逆に特化すればするだけ、小回りの利く小型店舗のほうが有利なのかもしれません。

たとえば、43週にチラシを入れるなら? そうです。Тシャツの処分での徹底した価格訴求。セーターのボリューム紹介。そして、今年のコートの良いところは「こんなところですよぉ〜〜!」という価値訴求。ボリュームは? そうです。当然、コートの山が一番大きい。そして、セーターの山。一番小さいのが長袖Tシャツの処分ということになるでしょう。 これが「だいこん」と「はくさい」と「里芋」でもパターンは同じです。「旬」の商品が売れる時に、その「旬」の山場をいかに大きく迎えるか…。このことを計画し「広告」という「投資」に見合うだけ「回収」するのが販促計画の最も大きな役割なのかも知れません。その時々の売場計画や、セールスマンの持ってまわるパンフレットなども記載内容が変わってきますが、それら細かいことは、ここでは書き切れないため割愛ということでご勘弁くださいませ。

 


 

【細分化したマーケットを整理する。】
 

さて、売上の構成はわかったのだけれど、自分のお客さん、最終顧客はどこにいるのか?という大問題があります。今では、インターネットなどの普及により、ますます販売チャネルも増え、購入動機なども細分化されています。しかしながら、購入するのはお客さん。こちらは「買いたくなるための仕掛けを作り続ける」という位置関係には代りありません。とはいえ、需要(ニーズ)が多様化していることは確かです。少し、そのニーズを整理しておきたいと思います。

図N
図N

 

縦軸は、金額の話です。100円のカップ麺と、数千万円の家では購入するプロセス、決定の要因などがまるで違います。横軸は、信用するもの…いわゆる「ブランド基準」がどこにあるのか…というものです。製造メーカーなのか、販売する会社・店舗の信用度で購入するのか、はたまた販売担当者が信用されていれば購入されるものなのか…ということを表しています。ナナメに走った横軸は、購入チャネルです。実店舗で商品を見て、そのまま購入する場合、インターネットのGoogleなどでしっかりと下調べをして実店舗で購入する場合。Amazonのように、インターネットで購入する場合の大きく3通りの方法が考えられるのではないでしょうか? 区分けしたエリアは3×3×3=27通りあります。このどこのエリアに自分の扱う商品があるのか…。それがわかっただけでも、手の打ち方は、ある程度見えてくるようにも思えます。

 

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