「加納 光」の Blog

「マーケティング」に関するメモ




2016.05.14

良い企画

By Kanou Hikaru


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「売上があがる企画」

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「何か 売上が上がる良い企画は ありませんか? 」・・・ こういう「お問合せ」が来ましたと事務局から連絡がありました。しかし、なんとも漠然とした困った質問です。

「本当に売れる企画」を立て続けている企画マンや「本当に儲かるビジネスをしている経営者」は、こういった乱暴な考え方をしません。もっともっと細やかで、ていねいな考え方をします。

今回の質問を、野球の試合でたとえるなら「どのようにホームランを打つか?」といった質問なのですが、ホンキで「どう試合に勝つか?」と考えたていたら、こういう大ざっぱな質問にはならないのです。

野球の試合であれば「相手を0点に抑える」・・・ そうすれば「勝ってしまうか? 引き分けか?」という話になります。こちらが負けなければ勝率は5割を超えます。これがプロの仕事・・・

つまり「どうすればエラーをせずに、ミスをせずに進められるか?」という考え方こそが「売上を上げる企画の根幹」となります。言い方を変えれば「売上が下がる要素のない状態を作れば良い」・・・こういう話になってしまうのです。

「お客さんが買わない要素のない状態を作り出すこと」こそが「売上を上げる企画」となるのです。いただいた質問が「セールスマンを支援するもの」なのか? 「店舗での商品の販売を支援するもの」なのか? メーカーなのか? 小売りなのか? そこもハッキリしません。

ですので、今回は「メーカーにおける小売店での販売促進」という考え方を例にとって説明をしていきたいと思います。つまり「新しい商品をつくって小売店に置いてもらったけれど、いまひとつ売上がパッとしない・・・」という状態を想定しておこうと思います。

企画は、数学で言えば「因数分解」です。どれだけバラバラに細かく分解して、ひとつずつ問題点を解決していくか? それが企画の基本になります。売上を因数分解すると、このようになります。

売上={(来店客総数×コーナー来場率)×買上率 } ×(商品単価×買上個数)

こうなります。売上は「かけ算」なのです。来店送客数は 店舗の問題ですから メーカーとしては どうしようもありません。その商品が置いてあるコーナーに来ていただく確率を上げることについても メーカーとしてはどうにもなりません。

ですから、この2つの要素の強化は諦めるしかありません。まずは「買上率を上げる」・・・ そこで「買上率」を、さらに因数分解します。

買上率=「目に止まる」×「いくつかの候補に残る」×「最終候補に残る」

最初に目に止まらなければ勝負になりません。目に止まらない=存在していないのと同じ状態になってしまう。ですから「目立つようにして、目に止まる確率を100%にする」ということが最初の課題となります。次が「いくつかの候補に残る」というステップになります。ここでさらに因数分解です。

「いくつかの候補に残る」=「説明されなくても どういう商品なのか想像がつく」×「自分が困っている問題を予定予算内で解決する商品だと明確にわかる」×「プロのこだわりが感じられトクした気分になる」

このように、要素をバラバラに分解して、ひとつずつの要素を「限りなく100%に近づけていく」・・・ そうすれば「必然的に売上は上がっていってしまう」のです。そうやって 最終候補に残らざるを得なくしていくのです。最後が最終候補に残る・・・

「最終候補に残る」=「他の商品と比べて、設定された販売価格より、高い価値が最も得られると確信が持てる」

因数分解をすると、このようになります。あとは、売場で本当にクリアできているのか? それを観察しながら次に進めていけば良いだけです。企画は、このように実験を繰り返しながら 確率を上げていく1つの「実験作業計画」でしかないのです。

「何か 売上が上がる良い企画は ありませんか? 」・・・と質問をする人は「パッと売上が上がる裏技のようなもの」を期待する人が多いのですが、そんな都合の良いものは 世の中にないのです。たとえば プロのスポーツ選手に「練習せずに活躍できる方法はありませんか?」と質問する・・・

質問されたプロのスポーツ選手は「そんなもんが あるなら 私が教えて欲しいです」と笑って答えるしかありません。プロのスポーツ選手も 自分のプレーをトコトン因数分解して、ひとつずつ ひとつずつ 欠点になっている要素を潰しているのです。

答になっているかどうか? ご期待いただいている答になっているかどうか? それは 不明ですが。ドまじめ に答えると こういう答になってしまいました。今回は、こういう答でご容赦ください。



ホンキで売上を上げる企画をするのであれば、ここに紹介した記事をゆっくりと読んでいただければ・・・ そのように思います。ホンキで解説していますから、とっても長文ですよ・・・


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#マーケティング
#2016



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