「売れてしまう理由」
1)「リアル」にトコトンこだわる
Chapter-2 「売れる」ということ
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まとめ |
「ブランド力」というもの
「売れる」ということ
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- 「販売の品質」が重視されるようになったのは、いわゆる「商品の品質」だけでは売れ なくなったからです。かつては「職人気質」で「良いものを作れば買わないわけがない論 法」で売れていたものです。
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- しかしながら、「メイド・イン・ジャパン」は、世界最高品質基準になりました。日本企業のブランド(監理)があれば「中国」で作っていようが「ベトナム」で作っていようが信用できるという時代にさえなってしまったのです。
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- 不良品が減るどころか見当たらない時代になると、品質が良いだけでは売れなくなってしまいました。それから「付加価値」の時代がやってきました。キャラメルには「おまけ」 がついている方式での販売です。
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- しかし、これもまた物質過剰となった日本では「必要ないもの」となってしまいました。「音声ガイダンスがついた効き目の悪いエアコン」より も「室外機の静かな省電力のエアコン」のほうが良いと顧客が気づいたからです。
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- どのメーカーにしても「品質がよい」「気が利いている」だけでは、さっぱり売れなくなってしまいました。付加価値を付け加えても「そんな不必要なものは要らない」とさえ考え られています。
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- 当初、携帯電話業界にデザイン品質の高い「アップル社」が「i - P hоne」を発売し市場参入しましたが、日本でなかなかシェアを拡大できなかったことからも証明できます。
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- 色々な機能が満載なのですが、実際に携帯電話を利用する人が 欲しがっている「お財布ケイタイ」や「デコ・メール」などの日本市場では当たり前になっ ている機能が不足していたがために、なかなかシェアを拡大できずにいたのです。
- では、お客様は何によって選ぶようになったのでしょうか?
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- ニーズの多様化などとい われる時代になっていますが、「使うと楽しい」という「機能的デザイン(「橋 をデザインする」だけでは足りなくなってしまいました。必要なものは、つぎよようなものです。
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- 「橋の渡り方自体をデザインする」こと)」
- 「商品の外見デザ イン」
- 「店舗の感じの良さ」
- 「アフターサービス」
- 「セールスをするスタッフの態度」
- 「広告のデザイン」
- 「ブランドマークのデザイン」
- 「企業のロゴデザイン」
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- といっ た商品を含めたすべての要因によって左右されているのです。アップル社は、売れないとわかると不足していた要素を一気に埋めにかかりました。
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- 近未来的なパイロットショップを地方都市に出店し、感じの良いスタッフを教育し、マスメディアで「こんなに自分勝手に使えるんだ」というスマートな広告を一気に流しました。
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- その一気な攻勢により、それまで「ゆっくり構えていた、スマートフォンを発売していた全ての企業」が、iPhoneに市場を独占されてしまったのです。競合は、ここまでの対応ができなかった・・・
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- その結果、あっという間にiPhoneのシェアが拡大されていったのです。これは、より近い「いい方」をすれば「売れる企業」と「売れない企業」がハッキリ分かれる時代が来たということです。
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- その理由は「生産力」が大きくなりすぎたので購買力の力が小さくなり、その分、売れない企業が登場することになったわけです。
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- それでは「売れる企業」と「売れない企業」は、どこが違っているというのでしょうか?
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- そのことに注目することが大切です。「売れる企業」は、必ず「販売の品質」が良いものです。
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- そして、そこには独特のノウハウがあるものです。
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- これを含めて最近では「企業ブランド」 と呼ぶようになりました。ブランドとは「商品についているマーク」のことを示している のではなく「商品の品質」と「販売の品質」の高さを意味するようになったのです。
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- これからの時代に生き残るためには「販売の品質」を高めていく必要があります。これ からは「ブランド力」をつけていく。
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- すなわち「商品の品質」とまったく質の違った「販売の品質」までを共に高めていかなければならないのです。「商品の品質」 と混合されやすい「販売の品質」の性質の違いを要約して上記のように図式化してみました。
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「売りやすさ」(セーラビリティー)
「売れる」ということ
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- 「販売の品質」というとちょっと抽象的ですが、それを端的に表現するならば「売りやすさ」と言いかえることができるでしょう。「売れる商品」には「人気」があります。俗っぽい言い方をすると「モテる」のです。
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- これは異性から「モテる」=「人気があること」と、まったく同じように考えてよいと思います。恋人を作るというのは「人生のパートナーを得る」つまり「結婚の対象となる 相手」を探すということになります。
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- 「一度はデートしてみたい」という相手と、はたして「結 を考えるか?」と質問すると、みなさん黙ってしまうのです。「あこがれの相手」を「結婚相手」や「恋人にする相手」にする時は「別の基準で選んでいる」といわんばかりです。
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- つまり「美人コンテスト」や「イケ面コンテスト」の優勝者が必ずしも「交際対象者」 として「モテるのか?」というと、そうではないということになります。
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- いろいろ話を聞 いているうちに面白い話を聞く機会がありました。「結婚するならば嫌いなところがない人」「優しい人」「気が利く人」という要望が非常に高いのです。
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- 「見た目」がいくら良くても「感じが悪い人」や「嫌いなところがある人」「気が利かな い人」などという「気の置けない相手」とは交際したくないと感じるのが心情というもの なのかもしれません。
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- 「優しさ」や「感じの良さ」は「恋人の対象となる素質」ではありますが、これは「販売の品質」 というものと、まったく同じようなものです。
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- 「見た目の良さ」も「気づかい」や「わかりやすさ」もあり、たくさんの人に好まれる=嫌われる要素が少ないと売れるのです。そのことを英語では「セーラビリティー (saleability)」といいます。
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- あえて直訳すると「購入の可能性」=「販売の品質」=「モテる指数」ということになると思います。
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- 「それで売れるのか」という言葉をここでは多く使うことになりますが、それは、まさにセーラビリティーを考えるということにほかなりません。
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- そして「ブランディング」における「販売の品質向上」とは「セーラビリティーをいかにつかんでコントロールしてい くか」を「システム化したもの」であるといえます。
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- セーラビリティーというのは、外来語として日本の中で定着した言葉ではありませんか ら「概念」としては少々わかりにくいかもしれません。そこで、その意味をもう一度、具 体的に整理したいと思います。
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- セーラビリティーの定義
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- 「売れる可能性のことをセーラビリティーという。
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- セーラビリティーは「商品販売活動、 企業活動がもっている魅力が、どれくらい多くの人に好まれるか」という量に比例して大 きくなる。
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- セーラビリティーの測定は、ある商品(店舗)のデザインや色(陳列・商品の 見え方)などを、百人中何人が、他の競合品よりも好むか(嫌われていないか)という単純な好き嫌い調査と、そのパーセンテージによって測定する。
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- すなわち、セーラビリティーの測定には、必ず最終購買者となるエンドユーザーに参加いただき、客観的に嘘偽りなく 極めて中立的に測定しなければ正確な数値を測定することはできない。」
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- セーラビリティーの測定は、パッケージ商品のように小さな物のほうがカンタンにできます。
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- ファッション性の高い商品や自動車のような大型高額商品は対象者が細分化されるため測定(調査)が複雑でやりにくくなるのです。
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- また、店舗デザインや陳列についても「空間、環境のセーラビリティー」であると考えられます。セールスマンについても販社の業種や規模により複雑にはなりますが、これらを測定する方法はあるわけです。
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- 従来、販売をコントロールすることは不可能に見えがちでした。それは「販売の品質(セーラビリティー)」をつかむコツに気づかなかったからです。
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- 「販売のシステム化」は全く新 しい経営手法です。いままでのヤマカンだけでやってきた「それで売れるのか?」という 問題をハッキリした技術として駆使できるようにするのが「販売のシステム化」にほかならないのです。
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- アサヒ・スーパードライもまさにこの「セーラビリティーの向上」を図る ことで絶対的な地位を手に入れました。まさに、この手法の確かな証明となったのです。
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「セールス・クオリティ」
「売れる」ということ
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- 今や国際化が進み「工場」は物価の低い諸外国へとドンドン移転しつつあります。反面「国内に工場を持たないメーカー」があちこちにできています。
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- 原則として「すべて国内で作ってもコスト高になって売れない」からです。この結果、国内の下請けであった町工
- 場は、よほど特化した技術を持ち合わせていない限り姿を消していくことになりました。
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- なによりメーカーの「販売力」が問題になります。それより前に「売れる商品づくり」、 つまり商品企画力にこそ問題があるのかもしれません。
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- 「企画」というのは「頭」を使う 仕事ですし、製造というのは「身体」を使う仕事だといえます。
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- つまり「日本のメーカー」 は「頭だけ使って儲ける」ようになり「身体だけ使う製造作業」は、人件費や物価の安い海外の労働力を使うことで仕入れコストを抑えるようになりました。
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- 企画力とは「売れる可能性を生みだすこと」です。ですから「企画のネタ=アイデア」 が必要になります。しかし「アイデア」だけでは売れません。
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- なぜならアイデアの90%は「自己満足的な売れないアイデア」でしかないからです。
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- こうなると、テスト販売がより多くできる「余力のある資本を持った大企業」だけしか生き残れないような気になってしまいますが、実はそうではないのです。
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- 企業に「売れる可能性の高いアイデアを選び出すノウハウ」があれば「大きな資本」は必要なくなります。 「販売の品質向上」は、そのためのノウハウ体系なのです。
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- 企業の競争は最終的には「販売」によって決まります。言い換えるならば「売れない」 なら「商品の品質」をいくら高めても意味がないのです。
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- 質の高い商品さえ作れば売れるに決まっているという図式は、今の時代、完全に崩壊してしまったことを意味します。
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- 極 端ないい方をすれば、商品の品質が他より劣っていたとしても、売れるようになってさえいれば「売れてしまう」という妙な形になってしまっている時代なのです。
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- 繰り返しますが、企業の競争は「販売」によって決まります。言い換えれば、売れなければ「商品の品質」をいくら上げても意味がないのです。
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- ですから「販売力」を高めることが、より重要な時代になっているといえるわけです。
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- 「販売力」は「販売の品質」によって決まります。売れない時代がやって来て販売力によって優劣が決まってしまうことを考えると「販売の品質向上」がいかに重要であるかがよくわかると思います。
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- しかし、それを抽象的にいくら話したところで業績が上がるわけでは ありません。
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- 「販売のシステム化」は「販売の品質」を「管理」するところから始まります。「販売の品質」を「測定」し「判定」し、悪い品質のものは排除するようにしなければならないわけです。
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- そうすることによって品質が安定し「売れない商品を作る」という失敗を減 らしていくことができるのです。
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- 従来「新しい商品」を作った時に「売れるかどうか、わからない」、「売ってみないとわからない」という言葉が当たり前のごとく使われてきました。
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- それは「販売の品質」=「エ ンドユーザーが買う可能性」という考え方がまったくなく「売る側の主観・ヤマカン」で
- 「販売」を判断していたからに過ぎないのです。
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- 売れる要素のない商品を、いくら上手に「プ レゼンテーション」しても、やっぱり欲しくはならないのです。
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- つまり「販売の品質」をつかめるようになれば、売れていたり売れなかったりという「業績のバラツキ」は急激に少なくなります。そうしてこそ「販売のクオリティ」を上げていくことができるのです。
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- 「販売の品質向上」は売れる商品作りにすぐに活用することができますが、それだけではありません。売る力のあるセールスマンの養成にもたいへん効果があります。
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- さらに、 工場や総務などという、一見「販売」に関係ないような部署でさえ「効率改善」を促すこ とができます。
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- 「全員がセールスマン」などと突然言い出して、売れなくなった時にだけ 全社員で猛烈な押し付け販売をしている会社も見受けられますが、これは持ち場を無視した強制でしかありません。
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- 工場には工場の「販売の品質」向上方法がありますし、総務や経理にも、やはり「持ち場」 に合わせた「しかるべき販売の品質向上方法」があるのです。
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- 常識的には工場の人は「品質が良ければ売れる」と思い込んでいます。
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- そういう人は「なぜ競合企業の商品が売れる のか(セーラビリティー)」ということに全く興味がありません。他の部署も全く同じです。 こうして、販売の品質管理ができている企業と、そうでない企業の差が加速度的に開いていくのです。
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「企業品質」
「売れる」ということ
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- 最近、「企業品質」という言葉をよく耳にします。ただ、その意味を質問すると、どなたであれ、不思議なくらいに黙って固まったような状態になってしまいます。
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- 響きの良いカタカナ言葉ばかりが先行して内容を把握していない、まさにコッケイな状態の証明のようなものです。
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- 同じように「CS(カスターマーズ・サティスファクション)」「顧客満足」 というような言葉もたいへん流行しているようです。
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- 商品を購入するお客様が本当に満足しているならば、業績が下がる要因は存在しないは ずです。
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- しかし「CS」「CS」と掛け声をかけている会社の業績が良いかというと、そ の多くが業績が上がるどころか下がっている会社ばかりですから困ったものです。
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- 企業品質とは「販売の品質」のことにほかなりません。
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- ディズニーランドでは、取締役でさえゴミが落ちていれば、来場されたお客様の不満にならないようにと自然にゴミを拾うそうです。
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- これこそが「販売の品質向上」であり「企業品質」と呼ばれているものです。
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- 取締役だからと背筋が反りくりかえるほどイバったりはしていないのです。
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- 経営陣が「販売の品質」を考えていない企業では事務や配送、製造、倉庫、清掃の仕事をしている人たちまで「私の仕事は売ることには全く関係がない」と思い込んでいる傾向が強いものです。
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- セーラビリティーは企業活動のすべてに当てはまります。
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- 「販売の品質(セーラビリティー)」の高い企業の経営者には、共通の「お金を使う感覚」 があるように思います。
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- 「その支払は、お金を生み続ける成果があるのか?」という、「目に見え難い投資感覚」があるといっても過言ではないかもしれません。
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- たとえば、多くの企業が「東海道新幹線」の走っている横に工場を作っています。
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- 「あんなに家賃の高いところに、よくもまぁ工場などを建てるものだ」という経営者の方も大勢いらっしゃいますが、そこを通る新幹線に乗っている人の多くが、その工場を毎日見てくれています。
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- 広告媒体として考えれば、とんでもない広告効果があります。
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- つまり、こういう場所に建っている工場は、工場のみならず「広告効果」も上げながら「セールスマン」にもなっ ているという一石三鳥の効果を生みだしていることになるわけです。
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- こういう「お金を生み続ける物に対する投資」も「販売の品質」に含まれています。
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- 「業績を生みだし続ける部分への投資」をせずに、やみくもに「CS」「顧客満足」といくら唱えてみてもセーラ ビリティーの低い状況では業績が上がる時代ではないのです。
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- ある有名な食品メーカーの本社へお邪魔した時の話です。
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- 建物のエントランスへ一歩踏み込んだ瞬間、ビックリしました。
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- セーラビリティーが全くといってよいほど見当たらな いのです。
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- 見すぼらしいショーケースのなかに商品が雑然と並べてありましたが、魅力らしい魅力などまるで感じることができなかったのです。
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- 社長室に通されて、しばらく社長の登場を待っていました。間もなく社長が顔を出されましたが、その姿を見て、またビックリしました。
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- 黒い長靴を履いた作業スタイルで登場されたのです。
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- 長靴という姿は水産加工を仕事にされているその会社のユニフォームであることは存じ上げておりましたが、まさか、初対面の相手に、黒い長靴のままのかっこうで会おうとするなどとは、これっぽっちも思っていなかったからです。
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- その会社の「企業品質」=「セーラビリティー」=「販売の品質」の乏しさが直感的に わかってしまいました。
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- 一時が万事とはよくいったもので、この会社はセーラビリティーに関する感覚が完全にマヒしていました。
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- 「社長の身なり」も「業績を上げる要素」になり得るのです。
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- 長靴を 履いていることで、いったいどれだけの「業績向上」のための「販売の効率・向上効果」 があるのでしょう。
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- 確かに経費の削減にはなるかもしれませんが、「販売の品質」を上げるとは考えられません。社長のお話を聞いていると、やはり業績はジリ貧です。
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- 「昔はこれで売れていたんだ」「競合の商品はマズイくせに売れている」「レベルの低い客ばかりだ」とボヤくばかりでした。
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- 「職人気質」が悪い形で露見した「時代遅れのパター ン」であることはいうまでもありません。
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- しかし、こういう会社でもセーラビリティーを向上させることで業績はグングン向上したのです。
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- たった半年間、取締役の方々にセミナー 形式でトレーニングをしていただいただけです。
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- 「セーラビリティーを企業のあらゆる面 に反映させる感覚」さえつかめれば、企業の業績はことのほか上がっていくものなのです。
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