「売れてしまう理由」
1)「リアル」にトコトンこだわる
Chapter-5 売上向上システム-1
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まとめ |
「売上向上システム」七つのスケール
売上向上システム-1
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- ここまで「それで売れるのか」という問題についてWHWの三大法則を紹介しました。
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- そして、WHYの法則、HOWの法則、WHICHの法則をそれぞれ説明しました。問題は、その「実用のしかた」にあります。
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- 製品の品質改善などの実践においては「チェックシート」なるものが随所に登場します。
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- それにならって「売上向上システム」として企業運営の中身を確認するための「チェッ クシート」を用意しました。一つひとつ個々に見ているとかえってわかり難くなる可能性もあります。図にまとめましたので、一度全体像を確認してみてください。
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「10人テスト法」
売上向上システム-1
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- エンドユーザーの気持をつかむのが「売上向上システム」の基本ですが、問題はどのようにしてエンドユーザーと交流を図るかということです。エンドユーザーの数は限りなく多く、一人ひとりに話を聞くことはとても難しいように感じてしまうものです。
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- この段階で「エンドユーザーの気持をつかむことなど不可能ではないか?」という気持 になるのもムリはありません。しかし、ここにも「コロンブスの卵」があります。それが10人テストです。
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- この方法は、私たちがいつも使っているものです。似たような調査をやっている人も多いとは思いますが「10人テスト」という名前をつけて概念化し、ひとつの手 法として提唱しているのは私どもだけではないかと思います。
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- 10人テストのメリットは次のようにいろいろあります。
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- 1)10人テストなら友人・知人を集めるだけですぐにできる。
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- 2)10人なら無料に近いコストで実施できる。
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- 3)必要な時にすぐに実施できるから作業スピードを遅れさせない。
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- 4)ターゲットにマッチした人たちを集めることも10人くらいならすぐにできる。
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- 多くの人が「調査」と聞いた瞬間「大勢の人を対象にしなければならない」と思い込んでいます。
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- たしかに、少人数より大勢の人を対象に調査をしたほうが信頼性が高いのは当然ですが、そういうことにこだわっていると「お金がないからできない」とか、「上司の許可を得るのに時間がかかる」とか、「許可を得るために、企画書を作らなければならないし、企画書を作るのに時間がかかる」などという具合に、二重、三重の障害がでてきます。
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- そんなことを思うだけで、もう、わずらわしくなってしまって身動きが取れなくなり、 結果として、どんどんエンドユーザーの気持から遠ざかってしまうことになるわけです。
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- 10人テストは非常にカンタンです。お金も最低限ですみますから、上司の承諾を得るにしても多くの時間は必要なくなってきます。最悪の場合、仲の良い友人や家族などでも調査はできます。
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- 問題は「調査」にあるのではなく「やる気」がないことでしかありません。
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- 「やる気」さえあれば、この程度の調査などであれば、すぐにでも実施できるのです。
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- 不思議なもので、10人テストを実施すると「発想のリズム」が一変します。この商品は 良い商品のハズなのに・・・という感覚で「欠点のなかったハズの商品」の欠点が急に明らかになってしまうからです。
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- それまで「なぜ売れないのだろう?」という混沌とした迷いが一度に吹き飛んでしまい ます。エンドユーザーに「ここ」が嫌われていたのか。
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- 「そこ」が好かれていなかったのか? という結論が、いとも早く、調査を実施したその日、その時間に、かなり明確に示されることになるので早く次の手が打てるのです。
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- 10人テストは10人を集めてテストをするという意味だけですから、そこでどのような調査やテストをしてもよいのですが、私たちは10人テストで「性格ブスコンテスト法」をよく使 います。
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- 美人コンテストなら聞いた事がある。とおっしゃる方も少なくないでしょうが、 人は「満足に鈍感で不満に敏感」なのです。「嫌いな部分」を明確化することによって、かなり重要な判定資料が即日にでもできあがってしまうのです。
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- しかし、10人テストには大きなデメリットもあります。それは小人数であるため資料と しての誤差率が非常に高いことです。1人違っても10%違ってくるのですから大きな傾向をつかむことにしか使えません。
- 事実、私は10人テストを「100人テスト」の予備テストの意味で活用しています。
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- 100人テストのような調査になると何十万というお金が必要になります。しかし10人テストは最大の問題であるコスト面から考えると気楽にできますし、もし予想通りの情報 が得られたならば後に本格的な調査へと移行していけばよいのです。
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- このように戦略的判 断の機動性を高めるためには少人数の10人テストは、きわめて重要な役割を果たします。 このような小さな実行を積み重ねていくことができるなら実行した行動量に比例した分だけ「それで売れるか?」という疑問の何10パーセントかが即座に解けてくるのです。
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「不買動機理論」
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- そもそも不買動機理論というものは、つぎのような考え方から誕生したものです。
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- 「どうしたら売れるだろうか」という人がよくいらっしゃいますが、そういう人(企業)には必ずといってよいほど「売れない商品(店舗)」があるものです。そして、その商品には決まって原因となる欠点(病気)があります。売れない理由は単にそれだけでしかあ りません。
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- 病気があるのですから病気を治せばよいのでしょうが、そういう人(企業)に限って自分の病気(欠点)を認めようとしません。
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- カンタンにいえば「反省する気持」など、さらさらないわけです。そのうえ、むやみに「どうしたらよいか?」ということばかり考え「特効薬のようなアイデア」ばかり欲しがる傾向にあるから困ったものです。
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- こういう人に限って「売れている商品(店舗)」の「中途半端なモノマネ」ばかりして売れないのです。 そのようなことをサンザンしたあげく「カンタンに儲かる方法がないか?」「もっとラクして売れないか?」というようなことばかりを質問してくるわけですから、私どものような商売をしている人間にしてみると、正直。たまったもんじゃないのです。
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- それは、運動不足で身体が肥満体形であるにも関わらず「スリムに見える」という「うたい文句で販売している洋服」を着込んで、「ちっとも痩せて見えない」とモンクをいっているようなものです。
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- いくらかは痩せて見えるのかもしれませんが、結局のところ「ゆるんだ体形そのもの」を何とかしない限り根本的な解決はしないのです。それと同じで、 まず自分の商品(店舗・企業)の病気をみとめることが先決問題なのです。
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- 商品が売れない時には、エンドユーザーに何か「買いたくない理由」がある以外に原因はありません。その「買いたくない理由」を『不買動機』と呼んでいます。
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- 不買動機は買 いたくない理由(病気)ですから、その理由を解決すれば(病気の原因を根本治療すれば) 売れるようになるのは当然のことです。
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- 10人テストを実施して「これは、本気で改定・改善をしなければならない」と判断した時に、最大のネックとなるのは、10人テストでは調査対象者が少なく大きな傾向はつかめても「見落としている不買要因がある可能性が大きい胃」という事実です。
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- お客様は「満足に鈍感」で「不満に敏感」なわけですから、少しの不満であっても見落としては「売れるようになるための改定・改善にはつながらない」ということになります。
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- 「売り上げ向上のシステム化」においては「売れる品質を保つこと」を狙っていますから、 不買動機があるような商品(店)が1つでもあれば「売れるシステム」にはなりません。
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- ですから、全ての不買動機を見つけて、それらを改善するのは「本気で業績を上げるための改定・改善」のしかるべき第一歩となります。
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- 「なぜ売れないのか」といっていると問題が漠然としてしまいますが、不買動機法を活用すれば、エンドユーザーの苦情(クレーム・要望)、お小言(コンプレイン)、批判(不快・ 好感)を聞き出すことによって「売れない理由」がハッキリとした形で「明確化」できるのです。
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- 不買動機という言葉は耳慣れない言葉ですからピンときにくいかもしれませんが、 エンドユーザーが商品を買わない理由は「どこかにクレームがあるから」という理由の他にありません。
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- ですからクレームや苦情を集めれば集めるほど「本当に売れない大きな理由」が明確化し「改善方法」がハッキリするわけです。
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- エンドユーザーとは「沈黙の大衆」であるといわれています。わざわざクレームを言っ てくる人など、ほんの2~3%という少数の「本当のファン」だけです。
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- 逆にクレームを言わない人が95%以上いらっしゃいます。
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- クレームが耳に届かないことをいいことに「苦情がないから、エンドユーザーは満足しているに違いない」などと身勝手な感覚でいると「売れない理由」がまるで見えてこないのです。
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- お客様も「モンクばかり言う悪い人」と思われたくありませんから「親切心」と して、気をつかって黙っているに過ぎないのです。
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- こちらに対して苦情などを言わず黙っているエンドユーザーに限って、家族や友人、仲の良い知人などに「あそこの商品(店舗・企業)はダメだ」と、ごていねいに「悪評」を広めてくださいます。
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- 人間は「不快なもの」「不快なこと」に敏感ですから、またたく間に「悪評」がエンドユーザーの間に拡がっていくのです。「やる気」さえあれば、10人調査など は実施できるのですが、それを面倒臭いなどと思うとひどいことになってしまうのです。
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「不買動機法」
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- 「モンクの多い人は嫌われる」という事実を人々は感覚的にわかっています。
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- ですから不買動機をつかもうとするとエンドユーザーに「モンクをいっていただく場」をこちらで用意しなければならなくなります。
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- たとえば「何かご不満はありませんか?」とお客様の顔を見るたびにこちらから問いかけるのも一つの方法ですし、買ってくださったお客様に「商品の具合」を時々たずねるという「アフターサービス的アプローチ」もその方法のひとつであるといえるでしょう。
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- 企業規模が大きくなると定期的にエンドユーザーの気持を聞く調査を実施することもありますし、エンドユーザーからの投書やご意見などに対応するシステムを作って対応しているところもあります。
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- このように不買動機をつかむ方法は数え切れないくらいあります。
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- つまり、最大の問題 は「本気で取り組む気持があるか?」という「気持の問題」でしかないわけです。
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- 「やる気」というものは納得できないと湧いてこないものです。「本当に効果があるのだろうか?」 とか「うまくできるだろうか?」という不信感があると、やる気にはなれません。
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- また、 部下がやる気になっている時に上司が「部下の本気で取り組む心意気」を理解できなければ、部下はバカらしくなって、これまたやる気にはならないものです。
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- ですから「商品の病気を治しさえすれば売れるようになる」という単純明快な原理を、 じっくりと理解いただくことが先決となります。
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- かつてビール業界はキリンビールさんの 独壇場でした。
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- アサヒビールの樋口社長が全社に「売れない理由がなくなれば、売れるに決まっている。売れない理由をすべて排除せよ!」という大号令をかけ、製品、商品パッケー ジ、売り方、営業方法、広告手法、販売促進手法など、すべての「販売に関するクオリティ の向上」を行ったからこそ、スーパードライという商品が世の中に登場したのです。
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- 他にも例はたくさんあります。男性整髪料といえば、かつて「ポマード」と「チック」 しかありませんでした。ポマードの独壇場であった男性整髪料業界に革命を起こしたのが、 売れない潰れかけのメーカー「丹頂(たんちょう)」さんです。
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- 「丹頂チック」の不買動機を集めるだけ集めた結果マンダムという商品が生まれ、さらに不買動機を収集した結果 「ギャツビー」という商品が誕生しました。(その後、社名をマンダムに変更されることになりました)
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- アンメルツや、ブルーレット、サワデーなどを開発した小林製薬さんとて同じです。「花王」さんという石鹸メーカーは、ウィンドウズなどが登場するはるか前に「お客様センター」 にコンピューターシステム(富士通のオフコン)を導入し、そこへの苦情をネタに数々の ヒット商品を世に送り出してきたという事実も見逃せません。
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- イトーヨーカドーさんもま た「苦情対応」をベースにしたコンピューターを早期導入して世界一の「コンビニエンス・ ストアー運営システム」を構築されています。このような実例を上げだすとキリがありません。
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- とにもかくにも「ニーズをつかめば売れるようになる」というのは変えようのない真理です。こういうお話をすると、やっぱり勘違いする人が登場してきます。
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- 「売れるようになる方法は?」「どうすれば売れるようになるか?その答を教えて欲しい」というアンチョクな質問をする人たちのことです。
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- 何度も繰り返しますがエンドユーザーという方々は絶対に満足することなどありません。人間の欲望にはキリがないのです。
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- お客様は「現状で一番マシなもの=不満が一番少ないもの」を選択し続けているに過ぎません。
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- 競合が新しい商品を世に送り出す度に、お客様の「一番マシ」という基準はドンドン変っていきます。学校のテストのような「絶対的な答」は「経営」には存在し得ないのです。
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- 逆のいい方をすれば競合企業が新しく発売した商品の「不満を解消した商品」を世に送り出せば必ず売れるという法則が成り立つことにさえなります。
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- 「どうしたらニーズがつかめるか?」という質問がでてくるのは「ニーズのつかみかた」 を間違えているからにすぎません。ですから、まずニーズをつかむ方法からハッキリさせていかないと一歩も前進することができないのです。
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- この第一歩が大切なのです。それなのに、従来はこの大切な一歩をないがしろにしていました。売れない理由(不満)がわからなければ「不満を改善した商品(店舗)」などを作ることは不可能だったのです。
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- 「不買動機=ニーズ」
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- 「不買動機」というものを、もう少し分析的に追求してみましょう。
- 好みに合わない見劣りする「不満というもの」をどのようにしてつかむのか具体的に把握するためには、もう一歩踏み込んでおかなければならないことがあります。
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- 図を見ると不満にはいろいろな形があることがわかります。
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- その不満のすべてが「買いたくない理由」 つまり「不買動機」になっていることがおわかりいただけると思います。
- それらの不満を満足させたいというエンドユーザーのニーズがそこに存在していることも同時にご理解いただけるでしょう。
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- 図に記した「不満の一覧表」こそ、すなわち「ニーズの本当の姿」なのだとい ます。
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- ニーズ、ニーズといっても「ニーズの姿を知らなければニーズをつかむことなど容易ではないのです。そして、これらの「不買動機」こそがニーズなのです。
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- しかし、これらの不満の一群を、単に頭で「言葉の意味」として理解したからといって、 そうカンタンに「不満=ニーズ」をつかめないことはすでに体験され、ご理解いただけることと思います。
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- なぜなら、私たちは普段の生活の中で不満を隠すように「しつけ」をされているからです。
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- 不満を言い合っていたら、世の中は「混沌とした地獄のような世界」 になってしまいます。欲求や不満は、お互いに抑えあったうえでこそ、世の中全体を平和 に保つことができていることを理解しているからこそ不満を聞き出すのが難しいのです。
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- しかし、つきつめて考えてると、それはタテマエというものでしかないこともご理解いただけると思います。私たち人間は、不満・不快を避けるという行動を本能的にやっているわけですから、不満のある商品を買うようなことは絶対にしないようになっています。
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- 私たち人間というものは、不満・不快を避けて少しでも満足の多い(不満の少ない)ほうを選択する理性だけではどうすることもできない本能を持ち合わせて生きているのです。
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- 「エンドユーザーは移り気だ」などという言葉もありますが、それは移り気なのではなく、不満の発見と満足の発見がツナ引きをした結果、少しでも満足できる改善されたものへ移動する力が働いているにすぎません。
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- タテマエの陰でホンネが動いていたのです。私たちは、このホンネをつかむために努力をしなければなりません。エンドユーザーは不満を隠したがる傾向にあります。
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- 不満を口 にして「イヤな人だ」と思われることが本能として隠れているのです。ですから「心配などする必要はない」などと、こちらが口先でいったところでなかなか信用してもらえません。
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- 批判、悪口、苦情を聞き出そうと思ったら、人に信用されるような人格を持たなければ なりません。人間は、その相手を心底信用できてはじめて「批判や悪口、苦情」などを、やっと口にできるものなのです。
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- 苦情・不満をつかめばニーズがつかめ、ニーズをつかめば売れるようになる。このわかりきったことが難しいのは、とどのつまり「人望」ができていなければ不買動機をつかむことができないという、実に大きな問題が隠されているからかもしれません。
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- しかしながら人間というものは本当に不思議にできています。環境に順応してしまうのです。社長の経営セミナーや商品開発セミナーで、これらの課題に全員で取り組むと、自分だけが落ちこぼれになるのはイヤだという競争原理が働き、競争しながら苦情を集め始 めることになるのです。
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- さらにおもしろいのは他の会社の社長に負けたくないと思って聞いた苦情が「売上向上に直結する結果」をもたらすということです。これを、研修として行っているのが売れる商品開発塾です。
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- 苦情を集める競争がいつしか「絶対的な固定客というファン」を作る競争へと変り、それがそのまま「業績の向上」、苦情に対応できる社員教育へとダイレクトにつながってい くからおもしろいものです。
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