「売れてしまう理由」

2)「トコトン分けること」にこだわる




Chapter-3 「伝統的な【商品概念要因】」




伝統的な「商品概念要因」


「言葉の意味」を明確に定義づけする必要性

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  • 「ソフト」「ハード」といった言葉は、パーソナル・コンピューターやゲーム・コンピューターの普及によって、その「言葉の概念」がハッキリとしてきました。しかし、その概念自体は50年も前から存在し、ビジネスの社会において「商品の性格」を示す言葉として使われてきました。
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  • 50年も昔に発刊された、アメリカの「コピーライター・ガイド」という本の中にも「hard goods」「soft goods」という言葉、また、その概念が登場しています。商品をこうした側面から見ていくのは、とても「常識的」なことではありますが、実質、とても理解しやすい「見かた」でもあるわけです。この「視点」で「商品概念要因」を整理すると、次のようになります。

  •   a)「ファッション商品」(ソフト商品)
  •   b)「機能改善商品」(ハード商品)
  •   c)「パッケージ商品」
  •   d)「サービス的商品」
  •   e)「産業用商品」

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  • 「ソフト商品」という言葉を、日本語らしく翻訳すると「軟派商品」、「ハード商品」という言葉は「硬派商品」という風になるのかもしれませんが、その意味を考え、実質的な動きから捉えていくと、「ソフト商品」とは「流行に左右されやすい、女性的なファッション感覚の商品」であり、「ハード商品」とは「発明などに左右されやすい、男性的で機械的な改善商品」であることがわかってきます。
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  • こういった具合に、言葉の意味が人によっては「わかりにくいケース」が登場してくるといった弊害が生じやすくなってしまいます。
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  • 頻繁に用いられる言葉に「コンセプト」というものがありますが、こういった言葉の意味をたずねると「上手く説明できない」という事態が起ります。意味や考え方が曖昧なのに、言葉だけが独り立ちしてしまっているうえに、頻繁に使われているものの、その意味は誰もわからないということになると「本質的な対話」は成立しないのです。
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  • 意味が曖昧なだけに誤解は生じやすいものの、質問できないくらい頻繁に使われている「カタカナ言葉」を用いてしまうと、結果「わかったような、わからないような話」にしかならないのです。
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  • 「ソフト」「ハード」という言葉も「コンセプト」と同じ傾向にあります。結局、意味が曖昧なまま、よく使っている言葉だけに質問もできません。その結果「すべての商品」を「ソフト」「ハード」という2つに割り切ってしまう傾向さえあります。
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  • そこで「ソフト商品」は、明確に「ファッション商品」、「ハード商品」を「機能改善商品」と分類しました。こうすることで、他の大切な「伝統的な分類の概念」を見落とすことがなくなったのです。
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  • ここにあげた5つの「伝統的な商品概念要因」は、商品分類の基準を明確化し、考え方を整理するうえで重要な「ひとつの視点」なのです。
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(1)ファッション商品(ソフト商品)


「ソフト商品」というものの考え方

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  • 「コンピューター・ソフト」「ゲーム・ソフト」といった形で「ソフト」という言葉自体が「商品」を現すようになりました。現在では「ソフト」=「コンピューターのプログラム」という意味合いで使われるようになっています。
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  • 50年以上昔にアメリカで出版された「コピーライター・ガイド」には、「ファッション的な商品」に限って「soft goods」という言葉を用いるように書かれてあります。語源から考えると「長きに渡る使用定着」の兆しが「柔らかい」か「固い」か、という意味合いとなります。
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  • つまり「元来のソフト商品」というものは「ファッション商品」と言い切ってしまったほうが、かえって意味がハッキリしてくるのです。
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  • 「ファッション商品の種類」/繊維、衣服、流行品、シャツ、毛布、靴、ネクタイ、アクセサリー、携帯電話など
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  • 「ファッション商品の性格」/「ファッション商品」は、ファッション的、装飾的な商品のことです。つまり、商品の特性には、次ぎのような傾向が見られるわけです。

  • a)「デザインが、商品の価値の中心になる」
  • b)「流行性傾向が強い」
  • c)「個性多岐な好みによって左右される」
  • d)「流行が大きいと大量生産できる」
  • e)「個性的な好みが強くなると他品種少量生産となる」

  • 「ファッション商品は、こうすれば売れる」/ファッション商品の性格としてあげられるように、機能改善商品とは全く異質な商品ですから、販売についての考え方も「機能改善商品」とは、まったく違っています。

  • a「デザインで売れる」
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  • ファッション商品の購買動機は、きわめて心理的なものです。商品の心理的な価値には「ブランド・イメージ」や「企業イメージ」などが含まれますが、ファッション商品の場合には、商品そのものが持ち合わせている「デザイン」による心理的価値が決定的に重要となります。

  • b「流行に乗ると売れる」
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  • ファッション商品の商品的価値は、デザインに中心があありますが、その価値は、時代の波に左右されます。時代感覚の流れや流行の波に乗っていなければ売れません。しかしながら、この流れも「成熟期」が終わってしまうと「マーケットが細分化」され、多品種少量生産となっていきます。

  • c「個性的な好みに合わせると売れる」
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  • 商品の心理的価値は「好み」という、きわめて個人的なものによって左右されます。最近は特に「個性化傾向」が強くなっています。2009年度時点では、女性のファッションは「モード系」「ハイエンド系」「ストリート系」「ガーリー系」「ギャル系」OL系」「お姉系」「アラサー系」と、大きく8つに分類されています。
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  • 面白いことには、男性のファッションも女性と同じように「美容師系」「裏原宿系」「お兄系」「大人のロック系」「メンノン系」「コンサバ系」「きれいめ系」「エクストリーム系」と8つに分類されていることです。
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  • そこに、色の好み、形の好み、年齢、などに関連してさらに様々なバリエーションが生まれてきます。つまり、個性的商品は、膨大なバリエーションを必要とするわけです。

  • d「流行は未婚女性が中心となり作られてきた」
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  • 流行とは「新しい現象」が、またたく間に社会に拡がることを意味しています。商品にも、当然、この傾向のものがあります。たとえば「衣服」「靴」「バッグ」「アクセサリー」「化粧品」「メガネ・フレーム」などのファッションや、「携帯電話」「文具」「アクセサリー」「インテリア小物(おもちゃ)」などによく起こる現象です。
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  • ここ数年でいえば「金髪ヘアー」などが好例です。サッと起こって、さっと消える。といった現象がそこにあります。2008〜2009年にブームとなったものといえば「付けマツ毛」が好例といえるのかもしれません。

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(2)機能改善商品


「ハード商品」といわれる分

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  • 「機能改善商品の種類」/「新機能乗用車」「新機能電気製品(デジタル・ハイビジョン・テレビ、デジタル一眼カメラ、ビデオカメラ、新機能電池など)」「住宅設備(太陽光発電機など)」「給湯器具(エコキュートなど)」「調理器具(IH関係など)」「パソコン」「ガソリン」「タイヤ」「バッテリー」など
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  • 「機能改善商品の性格」/ 前記のような商品によって代表されます。それらの特性を列記するとすれば、次のようになります。

  • a)「機械器具である傾向が強く、説明する要素が多い」
  • b)「価格的に、かなり高額となる商品が多い」
  • c)「商品としては、一般的に大型商品か、精密機械が多い」
  • d)「消耗品的感覚が少ない」
  • e)「購入の際、じっくり考えて購入する」

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  • 「機能改善商品は、こうすれば売れる」
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  • 機能改善商品には、こういった「重々しい特徴」があります。つまり「機能改善商品」を売る考え方も、そういった特性に合わせて考えられるのが一般的なのです。

  • a)「機能改善商品は、サービスで売れ!」
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  • 機能改善商品には、購入した人が以て変えれないような大きなものも珍しくありません。こういった商品の「持ち運び」はもちろん、取り付けなどの「販売した後のサービス」が大きな「決め手」となるケースが多いのです。「取り付け工賃、無料」「3〜5年保証」といった、アフターサービスが当たり前となっている時代ですから、こういった「まさかの時」「痒いところに手の届くサービス」が不足していれば、すぐに「クレームの対象」となってしまいます。

  • b)「機能改善商品は、わかりやすく説明せよ!」
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  • 元来、機能改善商品は「じっくりと説明すること」が販売の「決め手」となってきました。しかしながら、50年も昔に構築された「USP理論」や、「DDBのバーンバック氏」の作り上げてきた実績により、「難しい内容を、より具体的に、インパクト強く、わかりやすく説明すると売れる」という手法が定着しています。
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  • この手法が生まれるまでは、この手の商品は「広告してもムダ」という風潮さえあったのです。
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  • こういった「高額」な商品を購入しようとしている人は、心の中で色々と迷っているのが常です。もし購入しても、「望まない結果」であれば取り返しがつかないと考えるからでしょう。そこで、エンドユーザーが納得できるよう「安心できる説得手段」が必要となってくるのです。

  • c)「機能改善商品は、分割払いの条件の良さで売れ!」
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  • 価格の高い商品に共通した考え方ですが、機能改善商品は「分割払い」によって販売を促進できる商品といえます。最近では、この手法はどこも利用しているものですし「金利手数料」などといった条件までが「競争の条件」となっている傾向にあります。 

  • d)「機能改善商品は、信用で売れ!」
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  • 機能改善商品は、じっくり説明しなければなりません。説明しても「不安」は残ります。エンドユーザーは、その分野の素人ですから、説明を聞いたところで「専門的すぎて、よくわからない」傾向が高いからです。
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  • よほど卓越した特徴でもあるならば別ですが、似たような商品が他にあれば迷ってしまうのが普通です。
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  • こういう時は、第三の要素が「決め手」となるケースも多いのです。それが「信用」です。信用は「企業活動の積み重ね」としても生まれますが、「学術的な裏付け」であったり、「不調の際の返品や、補償」といった対応によって作り出すこともできるのです。

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  • ソフト化していく「機能改善商品」
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  • 機能改善商品は、原則的には「ファッション商品」とは違っています。このことを忘れてはなりません。しかし、その商品カテゴリーが「完全なる成熟期」を迎えてしまうと「ファッション傾向」が強くなってしまうのです。「メイド・イン・ジャパン」という言葉は「世界最高水準」という意味として世界中に受取られるようになってしまっています。こうなると「完全なる成熟期」を迎えてしまったと考える他なくなります。
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  • 商品の品質が良いのが「当たり前」という風になっているのです。数十年前の「成長期」に、弱小の商品が「フルイ」にかけられ、信用できる一流商品だけが生き残っているのです。こうなってしまうと「品質以外の価値」で差別選択する以外に方法がなくなってしまうのです。
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  • 数百万する自動車でさえ、デザインによって選別される傾向が強まってきているのは、このためです。つまり「機能改善商品」も「ファッション商品」の感覚で見なくてはいけないのです。しかしながら「新カテゴリー」の機能改善商品が市場に受入れられるまでには、原則通り「機能改善商品」としての「成長期のプロセス」を踏むことを余儀なくされてしまうのです。
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(3)パッケージ商品


現在の「商品の基本的な形」

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  • 1980年代まで、商店が「自店製造商品」を「商店街の店舗」でエンド・ユーザーに直販するというスタイルが、日本の流通の基本的なスタイルでした。それが「交通網の整備」や「自動車の普及」などで「大手GMS」「全国規模のボランタリー・チェーン(地元のスーパーマーケット)」「コンビニエンス・ストア」へと、エンドユーザーの「購入場所」がシフトしていきました。
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  • 結果、日本全国、どこへいっても「基本的には、標準的な品揃え」を行うようになったのです。それまでの「野菜」は「八百屋」で、魚は「魚屋」で、肉は「肉屋」で、という対面接客による「小分け販売」が、「セルフ購入」というスタイルへと移行していったのです。つまり、商品=「スーパーなど」で購入する「パッケージ化された商品」という感覚が、完全に定着していまいました。
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  • 「パッケージ商品」の原点は、アメリカで1960年代に登場した「セルフ販売方式」の「販売店」の登場で生まれたと言われています。現在の日本でも、パッケージ商品は「最も重要な商品概念」として用いられています。それは「パッケージ商品」こそ、最も「近代経済の象徴商品」であり、「広告的な商品」であり、スーパーマーケット的な商品だからです。
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  • プロテクター&ギャンブル社は、1960年代、世界一の代広告主であったと同時に、石鹸、化粧水などのパッケージ商品メーカーとして君臨していました。同社は1965年の時点で、894億円もの広告費用を投じていたのです。現在、1個300円のタバコが「70円」の時代のことですから、単純に現在の金額の4倍の価値と考えて、3672億円という計算になります。
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  • 「パッケージ商品」は、セルフサービスで販売されることが基本となりますから、広告による販売効果が非常に販売数値に現われやすいのです。それだけに「理論化」しやすかったのかもしれません。50年前から、商品を売るための研究が最も進んでいる商品分類であるともいえるのです。
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  • L・チェスキンの「パッケージ論」
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  • ルイス・チェスキンは、20世紀を代表する「色彩の研究者」として、あまりにも有名ですが「パッケージ商品の動向調査」の第一人者であり、権威でもありました。チェスキン氏は、1963年に発刊された「ひとはなぜ買うのか」という著書の中で、このように述べています。
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  • 「パッケージは、マーケティングの骨組みを作る要素として、2番目に重要な要因を持ち合わせている。パッケージこそ【製品の姿】なのである。それは、まさに「商品のシンボル」であるといえる。
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  • エンドユーザーは、製品の良し悪しを判断して買うのではなく、パッケージから見た「イメージ」を購入しているのである。パッケージは「製品」をすぐれた品質の商品であるかどうか、望んでいる商品であるかどうかという印象を買い手に知らせている。
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  • 1940年ごろまでは、最先進国のアメリカにおいても物理的な入れ物にすぎなかった。分量を量り、品物を持ち帰るための道具に過ぎなかったのである。しかし、セルフ販売が基本となっている今日の販売条件のもとでは、パッケージこそが「心理的な販売手段」であり、無言のセールスマンなのである。」
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  • アメリカにおいては、商品のパッケージは1960年初頭から重要視されてきました。特に、スーパーマーケットが発達史、多くの「加工食品」が「パッケージ商品」として確立していたのです。さらに、1960年代には乗用車も普及し、アスファルトの道路も整備されていました。そのため、50年も昔から、都市の郊外に「住宅地」ができ、車によって「まとめ買い」「買いだめ」をすることが基本的な「買い物のスタイル」となっていたのです。
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  • このような多くの要因が組み合わさって、アメリカにおける「パッケージ商品」は、50年も昔から以上な発達を遂げていたのです。「アメリカの食事は美味しくない」などというイメージも、アメリカという国の生活の中に、50年も前から「加工食品」「インスタント食品」が普及していたからだという論説もあるようです。
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  • それだけに、パッケージ商品に対する「考え方」や、「販売強化戦略」などは、日本に較べ30年以上先んじていた歴史があったのです。
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  • USP理論「ロッサー・リーブス」
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  • 1960年代、アメリカでスーパーマーケットが一般生活に馴染んだ頃、活躍していたのが「テッド・ベーツ社」でした。テッド・ベーツ社は、パッケージ商品ばかりを扱いながら、当時、約1000億円(現在に換算すると、4000億円)もの「広告費」を扱っていた注目すべき広告代理店です。
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  • この会社は「広告コンクール」などには全く顔を出さなかったことでも有名です。しかしながら、この会社に依頼する広告主は、そういったことを全く不満になど考えていなかったようです。この会社に依頼したメーカーは、成長を続けていったのでした。
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  • アメリカの文化には「技術の伝承」といった「考え方」が存在しないためか、この「ノウハウ」を、この企業で継続することはできなかったことが残念でなりません。この現代における「商品の考え方の基礎」である「テッド・ベーツ社の理論」をまとめると、次のようになります。

  • 1)「広告浸透率」という考え方
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  • 現在展開されている広告を覚えている人の数と、覚えていない人の数との比率。これを「知名度の浸透率」と呼びます。この浸透率なるものは、広告主の「policy」によって生まれ、大きな「差違」を産み出します。テッド・ベーツ社では「効果的だと思われる広告」ができると「徹底して、その広告を反復継続」する手法が用いられました。
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  • そうすることによって「知名度の浸透率」がドンドン高くなるからです。この考え方に基づいて展開するとすれば「広告自体に表現されるポリシー」を、やみくもの変えるのは浸透率を捨ててしまうことになりますから、なるべく避けた方が良いことになります。
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  • 「変更は、何億円ものエラーとなる」と、会長をもつとめた「R・リーブス」は述べています。ただし、どんな広告でも、むやみに反復してよいというわけではありませんでした。そこに、もうひとつの考えかたが登場してくるのです。

  • 2)「使用への広告牽引率」という考え方
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  • 現在展開している「広告」を覚えている人の中で「商品を購入した人」は、どれぐらいいるのか、その広告を覚えていない人の中で、商品を購入した人はどれぐらいいるのか、この差違を「牽引率」と呼んでいます。
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  • 同社では「牽引率」を、最重要視していたといいます。なぜならば「エンドユーザーを買わないように、追いやってしまっては、かえって売上が下がってしまう」からです。これは、冷静に考えれば、まさに「正論中の正論」といえるでしょう。
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  • この牽引率を高めるためる要因となるものに、同社が独自に作り出した有名な戦略に「USP理論」と名前をつけ後に大きく紹介しています。この理論は「現在の広告の原理原則」として世界中の広告クリエイターの「基本」となっているものです。
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  • さて「USP理論」ですが、これは「ユニーク(unique)で、売込みのきく(saling)、主張(proposition)」という意味だそうです。リーブス氏は、こう説明しています。「この品をお買いなさい。そうすれば、こういう特別なメリットを得ることになりますよ、というメッセージのことである。」
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  • もちろん、その主張は「競合メーカー」が使っているものであってはならない。とにかく、独自性の高いユニークなものでなければならない。ユニークであると同時に、何百万という大勢のエンドユーザーを動かし、新しい消費を我々の商品のほうへ引き寄せなくてはならないのである。」
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  • リーブス氏は、その例として、次のようなキャッチフレーズを紹介しています。
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  • 「お口の匂いを消す」
  • 「桃色の歯ブラシ」
  • 「我が社の瓶は、蒸気消毒しています」
  • 「これはトーストされたタバコです」
  • 「歯から、汚れの膜を除きます」
  • 「気になる体臭を消してしまいます」
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  • 最近では、日本でも、この50年も昔に産み出された「テッド・ベーツ社の理論」で、企業のキャッチフレーズを展開することが基本となっています。「おいしさと健康を考える」「目のつけどころがシャープでしょう?」「子どもたちに未来を」など数多くあります。
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  • 商品という分野において、この理論で最初に成功した商品は「かっぱエビせん」だと言われています。いまだに「やめられない、とまらない」というフレーズは、この商品をシンボル化する「代表的なキャッチフレーズ」となっています。
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  • しかしながら、この「牽引率」という手法を用いて「広告代理店の評価」を行っている企業は非常に少ないのです。それは日本の広告代理店が、元来「国営企業」であり「売れるかどうかまで、責任をとらない」という役所的な対応をしていたことが原因であるとアメリカのレポートにも紹介されているようです。
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  • 現在、日本において、この「手法」を用いているのは「業績=評価」という手腕を発揮している「一部のコンサルタント」のみに限られてしまっているようです。さて、前書きはこれくらいにして、他の「商品概念要素」と同じく「パッケージ商品」の特徴を紹介していきましょう。

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  • 「パッケージ商品」
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  • パッケージ商品は、いわゆるパッケージ(商品を入れる容器)に入れられている「商品」です。入れ物であれば「袋」「チューブ」「箱」「瓶」「ケース」などに入っていて「商品名」が入れ物に記載されていもの、また、中味が何か明確にわかる商品(卵、肉、魚など)は、すべて「パッケージ商品」としての分類となります。
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  • 「パッケージ商品の性格」
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  • パッケージ商品は、食品から化粧品まで、かなり性質の違った商品が含まれますが、次のような特徴があります。

  • a)「パッケージに入っている商品である」
  • b)「商品そのものの形に特徴が乏しいのが一般であり、パッケージによって商品の形が作られている」
  • c)「商品としては、小さいサイズのものが多い」
  • d)「一般的に、価格的には低いものが多い」
  • e)「日常の消耗材であることが多く、一般的に消費物である」
  • f)「セルフ売場で販売されていることが多い」
  • g)「商品の性格を説明する必要が、あまりない。(使い慣れている場合も含まれる)」
  • h)「衝動買いされやすい」
  • i)「競合商品の種類が多い」
  • j)「広告を大量に投下した商品が売れやすい」
  • k)「生産ロッドが多く、大規模流通網で販売される傾向が強い」

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  • 「パッケージ商品は、こうすれば売れる!」
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  • パッケージ商品は、全国のあらゆる層のエンドユーザーによって購入され、使われる傾向のものと考えるのが一般的です。必然的に生産ロッド数は多く、ある程度の数が作られることで価格を抑え、その分、大量に販売される傾向にあります。
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  • そのため、マスメディアの広告、全国規模の雑誌などのメディアでの広く告知される傾向も強いようです。一般的に「GMS」や「ボランタリー・チェーン(スーパーマーケット)」の基本品揃えとして陳列され、それぞれの店頭で選ばれるため、次のような特徴が見られます。

  • a)「パッケージ商品は、広告の規模で売れ行きが左右されやすい」
  • b)「パッケージ商品は、パッケージデザインの良し悪しで売れ行きが左右されやすい」
  • c)「パッケージ商品は、ブランドのイメージで売れ行きが左右されやすい」
  • d)「パッケージ商品は、知名度で売れ行きが左右されやすい」
  • e)「パッケージ商品は、商品に独自の特徴があると売れやすい」

  • 「パッケージ商品はPRの度合い(露出印象記憶度)で売上が変わる」という事実は、考え方であると同時に、歴然とした事実です。1960年代、世界第1位の広告予算を投じていたプロテクター&ギャンブルの元社長であった「H・モーガン氏」は、次のようなことを雑誌の記者に話しています。
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  • 「プロテクター&ギャンブル社では、広告がこの時代、もっとも効果的な販売強化手段であると信じている。もし、パッケージ商品をより多く売るための、もっと良い方法があったならば、当然、広告1本という戦略を捨て、そちらの方法を導入していたであろうが、この時代に、それ以上の手法が存在しなかったのである。」
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  • パッケージ商品が、当時、広告で売れていたことは、当然、その後の日本でも有名なことでしたし、後発とはいえ爆発的な経済成長を遂げた日本企業にとっても実体験として持ち合わせた感覚があります。
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  • しかしながら「パッケージ商品」が「パッケージ・デザイン」で売れるという事実は、日本ではアメリカほどの歴史もないためか、アメリカほどの「確証」を持ち合わせた人は驚くほど少ないのです。それは、セルフ販売というものの歴史に比例しているのかもしれません。
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  • 日本で「セルフ販売」が本格的に定着したのは、1980年代と言われています。アメリカでの「セルフ販売の定着」は1940〜50年代といわれていますから、当然、パッケージ商品に対する【意識的レベル】もまた、40年近い差違があるのでしょう。
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  • セルフ販売においては、パッケージを見てエンドユーザーが商品を選別します。ですから「パッケージ・デザインの出来栄え」によって、販売の実績が大きく違ってくるのは、当たり前といえば、当たり前の理屈なのです。
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  • セルフ販売の先進国、アメリカにおいては、このようなことは歴史的に、実体験としてよく理解されています。ですから、パッケージのデザインについては「売上と直結する」という感覚のもと、日本とは桁が2つほど違う巨費を投じているのです。
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  • 1960年代のアメリカにおける、新商品の「パッケージ・デザイン費用」は、平均「1アイテムにつき、1万ドル(360万円=現在でいう、1500万円程度)」だったという歴史的事実もあります。
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  • 日本のタバコ「ピース」の「パッケージ・デザイン」をアメリカの有名なパッケージ・デザイナー(レイモンド・ローウィ氏)に発注した際、3万ドル(1000万円。現在でいう、5000万円)が請求されたということも、当時ニュースになりましたが、アメリカにおいては「一般的な相場」だったのかもしれません。
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  • このあたりの「歴史的背景」を知る人は「現在の日本のパッケージ商品のデザインと売上に対する認識」は、1960年代〜1970年代のアメリカに、やっと追いついた程度だという人もいらっしゃるほどです。
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  • 1960年代のアメリカの「パッケージデザイン」における「事件」があります。ボーデン社(アイスクリームの「レディー・ボーデン」の開発を行った)が、ある新商品を発売したところ、売れ行きが良くなかったため、広告やキャンペーンなどの対策を講じたが売れませんでした。
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  • 結局、ネーミングなども含めて商品を見直し、中味は同じまま、パッケージ・デザインを一新して販売を改めて行ったところ、売れ行きは驚くほど好調となったことが業界紙にデカデカと取り上げられています。
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  • 当時の業界紙にでていた内容としては、一度発売して販売を失敗するよりも、売れると確証が持てるほどパッケージ・デザインに経費をかけるほうが「ブランド的ダメージ」も少なく、資金的にも、はるかにローコスト化できるといった具合のことが書かれていました。
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  • 「パッケージ商品は、ブランド(銘柄の)イメージで売る」という考え方は、このタイプの商品にとって特に大切なことです。パッケージ商品は「商品の特徴」が乏しいことが多いわけですし、商品を説明する必要もまた乏しい傾向にあります。
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  • したがって、「商品の選択」は、いうなれば「美人コンテスト」さながら、内容よりも「見た目の美しさ」といったもので成されるわけです。正確にいえば「結婚相手選び」と同じで「性格の良さそうに見える人」を選ぶということになりますが・・・
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  • とはいえ「見た目」であったり「銘柄(ブランド)のイメージ」というものは、具体的にはわかり難いものです。また、個人によって差が大きいこともあって、その「出来上がり」による「成果」というものを測定しにくい傾向にあります。
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  • こういう場合「SD(semantic-differential)法」、直訳すれば「意味微分法」という「形容図式」によってイメージ調査をおこない、その資料と業績(浸透率・牽引率)の皮革によって「パッケージ・デザイン」が販売に大きく貢献していることを証明することができるのです。
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  • この「広告浸透率」「広告牽引率」さらに「USP法」を活用したうえで(不買動機を排除するという考え方の元)「SD法」を活用することを、私どもは「イメージ・ギャップ理論」と命名し活用しています。
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  • 1980年代、日本のビール業界において「アサヒ・ビール」が、独占を欲しいままにしていた「キリン・ビール」に追いついた商品「スーパー・ドライ」という商品は、私どもが「アサヒ・ビール」の当時の商品開発担当者であった「松井康雄氏」に、この「イメージ・ギャップ理論」を伝授し、この松井氏が活用したことで生まれたのです。
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  • この商品が、あまりにも有名になってしまったため他の成功商品がかすんでしまってしまうのですが、その後も「イメージ・ギャップ法」によって、数々のヒット商品が生まれていますし、この手法は2010年においても「不変の成功手法」として多くの企業に用いられ続けているのです。
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  • はたして、知名度で売れるのか?
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  • 「パッケージ商品は、知名度があれば売れやすい」という考え方も、相当広く持たれているものです。確かに「売上高」と知名度とは比例していることが統計的には証明できます。とはいえ、ご推察の通り「あまりにも複雑」な結果が出ています。それは、商品の「ポジション」によって諸条件が以下のように違ってくるからです。

  • a)「低価格の商品カテゴリーは、知名度が影響しやすい」
  • b)「高価格の商品カテゴリーは、知名度が影響しにくい」
  • c)「知名度の高い競合商品がある場合、知名度効果は低下しやすい」

  • 知名度は「マーケティングの条件」つまり、競合状況によって効果が変わってきます。
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  • ここで問題になってくるのが「ニーズ」という言葉です。基本的にマーケティングというものは、アメリカで研究されたものだけに、アメリカの文献が多いのですが、文献の中に示されている「サンプル(調査対象)」が「アメリカに住んでいる人」であるということに着目する必要があります。
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  • カンタンにいえば「日本人とは別の価値観と文化を持った人たち」ということです。日本人の購買動機は、アメリカ人の購買動機とは完全に別のものなのです。こういった部分まで加味して「イメージ・ギャップ理論」が成り立っています。
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  • 色々なところで「ヒット商品を作るためのセミナー」というものが開催されていますが、アサヒ・スーパー・ドライを含め多くのヒット商品の開発を指導し成功を収めているセミナーは限られています。
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  • ここに書き出したものは、いわゆる「公開可能」な、基礎的なノウハウばかりです。当然、言葉では説明できないものも数多くあります。我々のノウハウにより指導された方々が成功を収めている裏側には、このような「研究」と「理論」が隠れているのです。
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  • さて、話を「知名度」に戻しましょう。
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  • いくつかの「状況」というものが考えられます。まず、その商品カテゴリーに「高いブランド商品」=「みんなが知っている商品」が他に存在しない場合は、やっぱり「みんなが知っている商品」=「高いブランド商品」が売れていくものです。
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  • 例をあげるとすれば「養命酒」や「味ポン」、「ドモホルン・リンクル」などが、このパターンにあてはまる商品だといえそうです。競合商品は多くあるのですが、そういった商品が、あまり有名ではないからです。
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  • この逆のパターンもあります。知名度の高いブランドの商品ばかりがズラリと並んでしまっているカテゴリーというものも存在するのです。そういう時に、ブランドの知名度を上げるという戦略を用いても、売れ行きに多大な影響を与えることはありません。
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  • こういう時には「商品に独自の本質的価値」を付加(商品自体を改良)したうえで、さらに「ブランド・イメージ全体」を強化していかなければ、商品の売れ行きが変わることはないのです。
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  • 例をあげるとすれば「チョコレート」や「冷凍食品」、「醤油」「味噌」「カレー粉」「食用油」「風邪薬」「頭痛薬」などが、このパターンにあてはまる商品だといえそうです。パッケージのデザイン・レベルにおいても完成度が高く、ブランドの構築も出来上がっています。
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  • 売上強化戦略は、一貫して「その商品を用いれば、どんなメリットがあるのか!」を知らしめること、そして「見た事のある有名な商品で、一流メーカーの商品でしょう?」と確認することの2本立てで戦略が組み立てられています。
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  • 後の「見た事のある有名な商品で、一流メーカーの商品」という部分については、広告における告知だけでなく、親しみの持てるパッケージのデザイン化こそが、戦略の「核心」となっていることも見逃してはなりません。
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  • 特筆すべき「商品の特徴」がある商品についての考え方は、前項の「USP理論」の通りです。後に、再度説明をしていこうと思いますが、結論からいえば「その商品の特徴の知名率(浸透度)」が高くなれば売れていくのです。
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(4)サービス商品


「おまけ」ではなく「商品」としての「サービス」

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━━━【サービス】は、経済用語において、売り買いした後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のことです。第三次産業が取り扱う商品である。法令用語では、役務(えきむ)ともいうのだそうです。
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サービス業(サービス産業)はサービスを取り扱う産業のことだそうですが、その範囲は、使用される状況や資料によって異なっているようです。広義のサービス業は、第三次産業と同義であるといわれています。
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例えば、第637回統計審議会では、「第一次産業、第二次産業に含まれないその他のもの全てを第三次産業として、サービス産業としている」と示されています。また、経済産業省産業構造審議会サービス政策部会の中間報告書では、「サービス産業は第三次産業と同義で、エネルギーや通信、運輸や卸・小売等も含む」としめされています。
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さらに、形のない財をサービスと呼ぶことから、形のある財を取引する卸売業・小売業を除いた第三次産業を指して、サービス業と呼ぶこともあります。とにかく、商品という物理的形が存在せず、本質的に「非製品的」な商品だということでしょう。
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サービス商品の種類
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電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、飲食店、宿泊業、医療、福祉、教育、学習支援業、人材派遣、複合サービス事業、公務に分類されないもの
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サービス商品の特性
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サービス商品とは、サービス業における商品のことで「精神的なもの」が多いようです。特徴はリストアップしにくいものですが、おおまかには次のようなものになると考えられます。


a)「形のない抽象的商品」
b)「人間の労働を直接販売するもの」
c)「お客様に代わって仕事をする代行業務」
d)「信用が大きく影響する」
e)「商品特性が非常に出しにくい」
f)「コンサルティング業務が含まれる」


たとえば「宿泊業」の代表、「ホテル」を例に考えてみると、このようになります。宿泊する場所を有料で貸し出すのが商品の中心です。宿泊には、立地的条件も大切な要因であり、部屋の設備なども大切な要因となります。
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最新テレビやインターネットの接続サービス、ベッドも必要ですし寝具類も色々と必要になります。当然、食事を用意する施設も必要ですし、ロビーのような「待ち合わせ」や、カフェテラスのような「打合せの場所」も必要になります。
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これらの複雑なサービスが、渾然一体となって「ホテル」という「サービスの商品価値」を形づくっているのです。宿泊だけでなく「ブライダル産業」としての意味づけも大きく、立地、建築的価値の2つによって商品価値が決定的に左右される「装置産業」だといえます。
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また、「サービス業」という業種の考え方に一大革命を起こしたのは「ディズニーランド」というアミューズメント施設だとも言われています。徹底した「不満の排除」と「新しい愉しさ」の提供。これがホテルを始め、飲食業や、ガソリンスタンド、接客販売業にわたるまで大きく影響を及ぼしているようです。
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(5)産業用商品


職人のための職人用商品

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産業用商品は、実際のところ情報化時代の影響をほとんど受けず、古典的な考え方で売上強化を図ることのできる「独特の分野」といって良いでしょう。
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歴史的に「販売」や「販売強化策」「販売促進プロモーション」といったものを調べていくと、アメリカでは今から90年〜80年も前に、コピーライター(広告文章作家)だけで広告を作っていた時代がありました。当然、その頃の広告媒体は「新聞」が基本で、文字広告、そこに挿し絵を書き込む程度でした。
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この当時、少なくともデザイナーの存在は、コピーライターのアシスタント的存在にすぎませんでした。当時の「売上強化戦略」というものは、商品を上手に説明し、理解させ、信頼させ、欲しくなるようにと導いて買わせるという古典的な「アイドマの法則」が、そっくりそのまま実行されることで効果を発揮してきたのです。
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【アイドマの法則】
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AIDMA(アイドマ)とは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語です。一般的に用いられブームとなったのは、本の出版から10年。
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つまり、いまから100年近く昔の法則ですが、一般的には「購買の基本」とも呼ばれています。日本語圏において「AIDMAの法則】として、大手(元国営の)広告代理店により提唱されたAISASとの比較により知られています。AIDMAの法則では、消費者がある商品を知って購入に至るまでに次のような段階があるとされています。


Attention(注意)
Interest(関心)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)


このうちAttentionを「認知段階」、Interest、Desire、Memoryを「感情段階」、Actionを「行動段階」と区別しています。
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米国等でより一般的に知られた類似の用語として1920年代に応用心理学の分野で米国のE.K. Strongが論文中に示したセールスにおける顧客心理の段階のAIDAがあり米国でのマーケティング、セールスや広告営業における用語としてはむしろこちらの方が現在でも世俗的に用いられることがあります。


Attention(顧客の注意を引く)
Interest(顧客に商品を訴求し関心を引く)
Desire(顧客に商品への欲求があり、それが満足をもたらすことを納得させる)
Action(顧客に行動を起こさせる)


近年、ネットでの購買行動のプロセスモデルとしてAIDMAに対比されるものとして日本の広告代理店の電通等によりAISAS(エーサス、アイサス)というモデルが提唱されましたが、根本的には同じだといって良いと思います。


Attention(注意)
Interest(関心)
Search(検索)
Action(行動、購入)
Share(共有、商品評価をネット上で共有しあう)


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つまり、100年近く昔に生まれた理論ということです。情報化時代と言われている現在、ブランド力やイメージ力といったものが購買動機として重視される時代になって、一般の商品の販売強化要因は一変しました。
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とはいえ、産業用商品の「販売強化要因」は変っていません。というよりも、変えることができないのです。なぜならば、産業用商品は技術者が技術者に販売するものであって、単なるイメージで売ったり買ったりするわけにはいかないからです。
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産業用商品の考え方は、ある時期には「一般商品」と類似点がありましたが、結果的には「基本に立ち戻らなければ、売れない」という結論にいたっているのです。
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さて、ここでこの「アイドマの法則」について、少々話をしておきたいと思います。パッケージ商品などを基本として取り扱う「流通業」において、この「アイドマの法則」を未だに活用しているところも少なくありません。
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特にパッケージ商品を作るメーカー企業の「売上強化策」で、この「アイドマの法則」を用いて「POP(Point of purchase advertising)」を活用しても、なかなか売上が上がらないという自体に陥っているところも数多くあります。
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これは、当然といえば、当然の結果です。パッケージ商品はメーカーが一般のエンドユーザーに売る「イメージ先行商品」であるわけですから、技術者が技術者に専門商品を売るようにアプローチしても、なかなか売上があがらないのです。
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まず 売れる人を 育てる
それが 成功の秘訣


 
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