「売れてしまう理由」
2)「トコトン分けること」にこだわる
Chapter-4 「ライフサイクル」という角度
はじめに | |
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第1章 | |
第2章 | |
第3章 | |
第4章 | |
第5章 | |
第6章 | |
第7章 | |
第8章 | |
第9章 | |
第10章 | |
第11章 | |
第12章 | |
第13章 | |
まとめ |
(1)販売強化項目の複合
項目を組み合わせるとハッキリしてくる。
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- 例えば「人物」を説明して欲しくて「その人は、どんな人ですか?」と質問をした時、答えに要領を得ない人も多いものです。それは、質問をした人の「質問のしかた」にも問題があるのかもしれませんし、答える人が話の脈略を把握していないからかもしれません。
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- 「仕事ができる人ですか?」という質問に「背が高いです」と答えていたのでは会話が成立しないのです。これはお医者さんの「問診」にもよく似ています。患者さんが【具合が悪い】といくら伝えたところで、熱はあるのか? どこが痛いのか? といったいくつかの項目について、複合的な答えの組合せによって病状が把握でき、原因を見出すことができるのです。
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- 「人物」であろうと「病気」であろうと、全体的にその状況を把握しようとした場合、いくつかの項目を用意し、各項目の答を組み合わせていくことが必要になります。「人物の説明」に例えるとするならば、前章(第3章)が「性別」であり、この章(Chapter-4)が「年齢」を示すようなものです。
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- これらの概略については、第2章の(14)〜(15)をこの時点で、もう一度見直していただけると理解しやすいのかもしれません。
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- さて、「伝統的な商品概念要因」に続いて、マーケティングの基本となっている「フィリップ・コトラー(Philip Kotler)博士」と「ケビン・レーン・ケラー(Kevin Lane Keller)博士」が書き記した「マーケティング・マネジメント」の中から、「商品サイクル」という2つ目の「項目」の内容を抜粋しながら説明していきたいと思います。
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- この「商品サイクル(Product life cycle)」という考え方は非常に重要なもので、1980年〜1990年初頭までのバブル経済期には、この分野だけでコンサルティングを行えた時代もあったほどです。しかしながら、1990年代後半になると、世の中の商品が飽和状態になり、「イメージ戦略」や「ブランド戦略」などの複合コンサルティングが必要となりました。
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- 結論から言えば、このノウハウだけで「売れる」という単純明快な時代ではなくなってしまっているのです。しかしながら、この要因が「売上」に「大きな影響」を及ぼしていることは否めません。この「ライフサイクル」を把握しているという大前提の上で、さらにどういう戦略が必要になるかを検討しなければならないのです。
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(2)ライフサイクルから見た「売上強化要因」
「商品の旬」=「商品寿命」という考え方
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- 「商品のライフサイクル」という考え方を取りまとめ、発表したのは、アメリカの経済学者である「フィリップ・コトラー(Philip Kotler)博士」です。現在でも「マーケティングのバイブル」と言われている、代表的な著書「コトラーのマーケティング・マネジメント」は、1960年代に発表されました。
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- 特に、この「商品ライフサイクル(正しくは製品ライフサイクル)」は、販売強化戦略の手法として、色々な分野に用いられてきましたし、これを把握し実践するだけで売上が上がるという単純明快な高度経済成長という過去を実際に経て現在に至っています。
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- 日本での実践理論の祖となったのは「小田正也」先生だと言われています。この方は1968年に「商品寿命」という日本という独特のマーケットにおける「ライフサイクル戦略のバイブル」ともいえる著書を発表されています。
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- しかし、これらの理論は「40年以上むかし」に組み立てられた、マーケティングの「基本中の基本」であることを忘れてはならないのです。この理論をご存知の方も、また、この理論を用いて過去に成功を収めた人も多いと思います。
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- それほど「実践性の高かった」理論ですし、今でもなお「複合条件の把握」にとっては、大きな要因といえるでしょうし、この理論をご存知でない方にとっては衝撃的な内容ですから、それらのポイントを概略として、ざっくりとまとめていきたいと思います。
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- 商品も人間と同じように「生まれ」「成長し」「大人になり」「年老いていく」という考え方が「商品のライフサイクル」の考え方です。あらゆる商品を4つの段階から見るというものです。(考え方によっては、5つ、6つと分類する場合もありますが、ここでは「基本のおさらい」という意味で基本的な概略のみを述べておきます。)
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- a)「導入期の商品」
- b)「成長期の商品」
- c)「成熟期の商品」
- d)「衰退期の商品」
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- 日本で商品ライフサイクルが注目されるようになったのは、1960年代の東京オリンピックからだと言われています。それは「家庭用電化製品」の需要が大幅に増え、その供給が増していった高度経済成長が背景にあったようです。
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- この考え方が企業戦略に大きな関係があるという実績が証明された後、ますます商品寿命が短くなっていきました。技術の進歩による新商品の開発傾向の拡大が日本という国家そのものに存在したのです。
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- この時代は、需要が供給をはるかに上回る傾向がありました。「カラーテレビなら何でも良いから、東京オリンピックが自宅で見られるように用意して欲しい。」というような今では考えられないような需要が日本中にあったのです。これが「成長期」の意味するところです。
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- つまり、作れば売れるという時代。いかに効率的に短時間でムダなく作るか。ということが企業戦略となりました。そこで「テクニカル・クオリティ・コントロール(TQC)活動」が企業内で頻繁に行われるようになったのです。
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- 現在、工業の世界で「TQC活動を行えば、企業は爆発的に成長する」という方程式は成立たなくなってきています。生産が間に合わないという「大きな需要」は、物余りの現代、存在しえなくなってしまっているのです。
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- さて、話を元に戻しましょう。現在は「大量生産が行える能力を持ち合わせること」は、企業の絶対条件になっています。大量生産を行いながら、ライフサイクルが短くなってしまっているのですから、企業にとっては大きな負担が増えることになります。
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- 加えて、これらのことは「商品年齢に応じた適確な販売対策の構築」をも意味しています。こういう背景があったからこそ、商品ライフサイクルというものが高度経済成長の中で注目されていったのです。
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- 商品の中には、数年以下の寿命のカテゴリーも存在します。当然ながら、失策商品は除外するとして、数年以内の寿命というのが、その商品カテゴリーの宿命となっているのです。例えば、ファッション商品や、テレビ・ゲーム・ソフトなどがこれに当たります。
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- 逆に、何十年もの長い寿命を持ち合わせた商品カテゴリーもあります。「マヨネーズ」や「醤油」「ブイヨン調味料」「ポン酢」といったカテゴリーの商品は、何十年もそのデザインを変えずにいるのです。
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- では「定番商品ならば、デザインを変更しなくとも売れ続けるのか?」というと、そうではありません。ポッキーなどの定番菓子は、数年に一度、よほど詳しく観察しなければ気がつかないほどのマイナーチェンジを重ねています。
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- 日本における「マーケティング論・商品ライフサイクルの大家」である前田先生の考えかたを用いるならば、次のような要因によって左右されるということになります。
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- a)「技術の変化(技術革新)」
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- b)「市場条件の変化(競合商品の登場など)」
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- c)「流行(ファッション的ニーズの変化)」
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- d)「企業のマーケティング競争力の向上(ブランド戦略化など)」
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- 現在、この考え方が用いられていないかというと、そうではありません。大きなカテゴリーがニーズの細分化によって「小さく専門性・独自性の高いカテゴリーへと細分化」されているだけの話です。
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- ただし、年を追うごとに「技術的革新」が加速度的に伸びていますから、それぞれのカテゴリーのマーケットが驚くほど早く移行していることは見逃してはならないのかもしれません。
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- 「マネした電気」と「マネタ自動車」
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- 「マネした電気」という言葉は、1960年〜1990年頃に業績を伸ばし続けていた「松下電器産業(現・パナソニック)」をヤッカンだ言葉です。この言葉を聞いたコトがある人は、現在、50歳以上の団塊の世代だけかもしれません。「トヨタ自動車」も同じように、かつては「マネた自動車」とやっかまれていたのです。
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- 「商売とは盗むこと」という言葉が日本のビジネスにおいては「哲学」とされて久しいのですが、まさに、この2社はこの「日本の経営哲学」を実践した企業であり、現在、世界のパナソニック、世界のトヨタと呼ばれています。
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- つまり、この代表的な2つの企業は、50年も前から、この「ライフサイクルの法則」を活用していたことになります。松下電器産業に限っていえば、山のものとも海のもともわからない新製品に力を注ぐことを避けた経営戦略で一貫してきています。
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- つまり、売れるか売れないかわからないような導入期には徹底して我慢し、成長期に入ってから出発し、あっという魔に一番手を追い抜いてしまう。という戦略を徹底して続けていたのです。これが、最新技術にこだわってきたソニーと違うところです。
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- 自動車の業界でも同じようなことが言えます。かつては「技術のニッサン」と呼ばれ、日本の自動車産業を引っ張ってきた「ニッサン」が作った商品が売れる!と確証を持った時に、後追いで似た自動車を作り追い抜いていくという「マネた商法」もまた、これと同じといって良いかもしれません。
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- 高度経済成長期の象徴ともいえる家電製品といえば「カセット・テープレコーダー」「トランジスタ・ラジオ(中波・FM・短波)」「トランジスタ・テレビ(クイントリックス)」「家庭用VTR」などは、ソニーが開発を手がけ、松下が後から追いかけて、あれよあれよという間に日本一のシェアをもぎ取ってしまったのです。
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- さらに時代をさかのぼれば、1950年代に「東芝」が日本一のシェアを誇っていた電気炊飯器についても、松下が後追いすると例外なくシェアを巻き返していったのです。この手の例を上げれば数限りなく、キリがなくなってしまいます。
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- 松下のこうしたやり方は、いわゆる「徹底した2番手商法」です。生産は後発であるものの、販売では美味しいところを取っていってしまうというものです。たとえるなら、マラソンで先頭を走る選手にくっついて走って、勝負の山場にサッと追い抜いてしまうのと同じです。
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- この戦略は、商品のライフサイクルという見地から見ると実に合理的で画期的な方法だということがわかります。ライフサイクルから考えると、導入期には苦労が多い割に売れないものなのです。ところが成長期になると需要が急に拡大する傾向があります。松下もトヨタも、このタイミングを狙って後発していたのです。
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- 近代日本におけるマーケティングの実例として取り上げられるのが、松下電器のテレビ販売戦略です。そもそも、テレビというものは1953年に早川電気という会社がテレビを発売しました。しかし、テレビは大きく売れていません。しばらくの間、特権階級のシンボルとして「早川のテレビ」が独占的に君臨していたのです。
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- それから1957年、テレビの普及台数が100万台を超えました。その頃、主要都市のテレビ局がほとんど開局したのです。当時の日本の世帯数は、2000万世帯でした。100万台といえば、20件に1件の割合ということになり、シェアでいうと5%になります。
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- シェア5%、当時の100万世帯が耐久消費財の成長期に入る大きな目安となっています。松下電器は、毎回、毎回、シェア5%の自伝で猛然と売出し、シェアを取り上げていったのです。シェア5%の状態になると、商品はすでに良く知られていますから、生産力と販売力さえあれば売れていきます。
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- 松下電器は、1957年の時点で「ナショナルのお店(家電販売商店)」を全国に30000件を有し、このシェア5%という大きなチャンスを見逃さず、徹底した商品供給と、徹底した販売支援を行ってきたのです。
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- このように「商品サイクルの成長期」がやってくるまで、じっと販売を待ち続けるというのは「生産力」と「販売力」の2つがそろっていなければ不可能な戦略です。一気に作って、一気に売れる!という「企業体力」がなければ、先行メーカーの商品の「ブランド」が確立してしまうからです。
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- 後発しながら、一挙に大量生産をする企業体力がなければ、全くの「後発メーカー」となってしまうからです。 1957年、12月にテレビの販売に踏み切ると、たちまち「販売台数トップ」という地位に躍進し、依頼、その王座に座っていたのです。
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- ライフサイクルの判定
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- 今、まさに売ろうとしている商品が、ライフサイクルのどの段階に位置しているかということの認識は、マーケティング戦略上、販売支援の企画を左右する大きな要因となります。カンタンにいえば「ターゲットが変る」のです。
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- さらに、これが「機能改善商品(ハード商品)(第3章参照)」であれば、成長期になると買い替え需要や、買い増しという需要が増えてきます。こういうターゲットは既に商品の知識はあるわけですから、販売支援の報告が他の場合とはまるで違ったものとなるのです。
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- そういった理由で「商品がライフサイクルのどの段階にたっしているのか」を判定しなければならなくなるのです。旧来から「ハード商品」は、「シェア5%」から「成長期」という目安があります。これはマーケティングに詳しい経営コンサルタントであれば、誰もが知っている常識とされています。
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- 家電用品や自家用車といった「ハード商品」の場合、20件に1件が所有すれば成長期に入るといった風に考えれば、非常にわかりやすいだろうと思います。ただし、これは、あくまでも説明のためのわかりやすい目安として記したもので、これが総てに当てはまることはありません。
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- つまり、成長期に入るのがシェア何%の頃なのか、商品カテゴリーによって違っているのです。シェアが10%を越えて成長期に入ったと言われる商品もあります。要するに商品の性質によって「シェア」と「商品サイクル」の関係は違っているので、シェアにこだわりすぎてはいけません。
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- 上記に説明したような考え方は、残念ながら経験的な目安にすぎません。あえて注意点を上げるとすれば、次のようなことが大きなポイントとなりそうです。
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- 1)需要量の上昇が急激に加速されたら「成長期」。それまでは導入期と見るのが一般的です。
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- 2)競合メーカーの競合商品が増えると成長期は急激にやってくるものです。
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- つまり、需要量の進捗変化を見ながら、急激な変化に対応した事前準備が必要となってくるわけです。
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- ライフサイクルによる戦略
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- ライフサイクルの考え方は、商品を人間になぞらえて「生まれ」「成長し」「大人になり」「衰えていく」という段階に分けるところに特徴がありますが、この考え方は「商品の位置関係」を理解するのに次のようなメリットがあります。
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- a)「エンドユーザーの性格が、ライフサイクルに対応して変化していくことを傾向として分析し活用することができます。」
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- b)「購買動機が、ライフサイクルに対応して変化していくので、販売強化対策に活用することができます。(モチベーション・サイクル)」
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- c)「需要量が、ライフサイクルの段階によって大きかったり小さかったりすると、これを販売予測など経営戦略に活用することができます。」
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- d)「価格もライフサイクルによって変化していきます。つまり、その傾向を理解していれば価格政策の目安が立てやすくなります。」
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- e)「競合条件も、ライフサイクルに対応して違うことが多くなります。その傾向を整理しておくと、戦略判断の目安となります。」
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- こういった性格をひとつずつ整理すると次のようになります。
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(3)ライフサイクル商品
「導入期戦略」「成長期戦略」「成熟期戦略」「衰退期戦略」
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- ライフサイクルに対応した商品自体の性格、戦略の性格を整理すると、次のようになります。
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- 1)「成長期の商品」
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- ・「購入者の傾向」
- いわゆる「先駆者的なターゲット」が購入します。傾向としては「高額所得者」及び「好奇心の高い若者」ということになりそうです。
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- ・「購買の動機」
- 具体的なメリットを知ることで購入するケースが多い。
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- ・「販売強化策の傾向」
- こんなに便利、こんなに愉しい。といったメリットの提示を行う「インフォマーシャル戦略」ことが基本となっています。
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- ・「販売の傾向」
- 一般的に「売ろうとすれば売れない」という時期であるだけに「引きのセールス(紹介のみ)」が一般的な戦略と言えます。
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- ・「需要の伸び」
- 需要は少なく、伸びも緩やか。
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- ・「価格政策」
- a)一般的には極めて高価格である場合がほとんどです。
- b)当初から独占戦略で攻める場合には低価格戦略をとることもあります。
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- ・「競争構造」
- 一般的には競争・競合はほとんど無い状態になっています。
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- 2)「成長期の商品」
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- ・「購入者の傾向」
- いわゆる「追従者的なターゲット」が購入します。
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- ・「購買の動機」
- 品揃えの種類・量の多さによって「選択できること」が購入理由になる場合が多い。
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- ・「販売強化策の傾向」
- 「商品のボリューム戦略」が一般的な戦略です。種類を増やす、量を増やすことが絶対条件となります。
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- ・「販売の傾向」
- 「買うか買わないか」ではなく「どれを選ぶか」という時期だけに「押しのセールス」が一般的な戦略となります。
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- ・「需要の伸び」
- 需要は急激に加速度的に伸びていくのが成長期の特徴です。
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- ・「価格政策」
- a)一般的に、成長期に較べて急激に安くなる傾向にあります。
- 「イメージの良いもの」がキーワードのようです。
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- ・「競合構造」
- 成長期が終わると、急に利益が出やすくなるので、競合企業が急増して競争が激化していきます。
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- 3)「成熟期の商品」
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- ・「購入者の傾向」
- 「低所得者」および「人と交わることを不得手とする人たち」と言われています。
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- ・「購買の動機」
- 価格の安さが購入理由となる場合がほとんどです。
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- ・「販売強化策の傾向」
- 「価格戦略」が一般的な戦略です。携帯電話0円などが好例といえるでしょう。
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- ・「販売の傾向」
- 価格戦略が一般的な戦略です。ターゲットを考えると「無理強いしない引きのセールス」が一般的な戦略と言われいます。
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- ・「需要の伸び」
- ピークと言われる時期で、これ以上の上昇はなくなってきます。
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- ・「価格政策」
- 競争激化と高利潤の改正のため、さらに価格が引き下げられる傾向にあります。
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- ・「競合構造」
- 脱落する企業が増え、力のある企業の独占傾向が強くなってきます。
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- 4)「衰退期の商品」
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- ・「購入者の傾向」
- この時期になると「需要の細分化」が起こり、そのままの状態では買わない傾向が増えてきます。
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- ・「購買の動機」
- 習慣的な理由以外での購入は激減してきます。
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- ・「販売強化策の傾向」
- 新しい細分需要に対応しきれない商品を早めに見切る時期だと言われています。
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- ・「販売の傾向」
- 徹底価格戦略、早期見切り処分が一般的な戦略です。
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- ・「需要の伸び」
- 低下する一方です。(一方でマーケットが細分化されていきます)
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- ・「価格政策」
- 徹底価格戦略、早期見切り処分が一般的な対応のようです。
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- ・「競合構造」
- 衰退期に入ると、このカテゴリーを棄てる企業も増えていきます。
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- ライフサイクルから見た「売上強化要因」は、こういったものとなります。ライフサイクルは、企業競争や商品カテゴリーによって、きわめて微妙に変化しますから、これ以上詳しく傾向を捉える場合は、個別に対応する必要があります。
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- 変化の多いマーケット戦略において、傾向を固定的にとらえようとすればするほど戦略選択の間違いを引き起こすことになりかねません。これらの傾向は「一般常識」として捕らえ、現実とどのように食い違っているのかを個別に確認していく必要があります。
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- 今回は、概略を把握いただくための「一般常識の紹介」として書き出しておりますので、個別についての対応は、あえて控えることにしたいと思います。
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- 潜在需要の掘り起こし
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- 成熟期になると需要の成長は衰え販売売上は伸びなくなってしまいます。こんな時には、今までその商品を使わなかった人にも使わせるようにしないと販売は伸びないものです。
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- 好例となるものに「ポケットベル」があります。ポケットベルは1968年に東京地区のみでスタートしました。初期の利用者の多くは、業務上で外出の多い営業職・管理職・経営者で、電子音による呼び出し音が鳴るだけでした。
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- ピーピーピーという、呼び出しがあった際には出先の公衆電話から事務所へ確認の電話を入れてもらうという使い方でした。1978年に自動車電話がスタートしましたが、料金があまりにも高額であったため、ポケットベルが唯一の個人向けの移動体通信だったのです。
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- この時点で、成長期がスタートします。1985年の通信自由化により、電電公社のポケットベル事業はNTTドコモグループに移管されましたた。また、1988年から1989年にかけて、日本移動通信やDDIセルラーグループ(いずれも現在のKDDIのau事業)の自動車電話や携帯電話への新規参入がありました。
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- しかし、まだその料金は一般の市民には高額であり、依然として業務でポケットベルを携帯させられていた従業員も多かったのです。
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- 1987年以降、各地域に設立された地場資本中心の新規参入事業者がPOCSAG方式で事業を開始して競争が激しくなりました。そのため、ポケベルの利用料金は安くなり、販売ルートもスーパーマーケットやコンビニエンスストア、鉄道駅の売店などに広がった。個人での契約も出現し、小学生にポケットベルを持たせる親も現れるようになりました。
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- そのころ、プッシュ信号(DTMF)により数桁の数字を送れる機種のサービスが開始され、受信した方が表示された電話番号に電話をかけることが出来るようになり、業務での効率的な利用が可能となりました。この頃が成熟期だったと言えます。
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- そこで、「ポケットベル=仕事の道具」という考え方から、今まで商品を使わなかった人にも使わせるようにしないと販売の拡大は見込めなくなります。そこで女子高生向けに「こういう遊びがある」という広報戦略が登場しました。いわゆる「潜在需要の掘り起こし」です。
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- 最終的に、主力ユーザーとなった女子高生を中心に、例えば「14106」=「I(アイ)4(し)10(とぅ)6(る)=アイシテル(愛してる)」というように、数字の語呂合わせでメッセージを送る一種の言葉遊びが流行して、1990年代中盤には個人対個人で他愛ないメッセージを送りあう道具として急速に普及し、頻繁に利用されたのです。
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- その後、1995年にPHS電話が登場し、携帯電話がこれに対抗して通信価格を落とし、1997年になると「携帯電子メール機能」のついた「携帯電話」などが登場し、ポケットベルは終焉を迎えたのです。当時、ポケベル業界を揺るがした企業「東京テレメッセージ」などは、会社再生法の適応を申請して倒産する事態となったのです。
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- マーケットの細分化
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- わかりやすい例があるとすれば「家具の業界」かもしれません。かつては「商品カテゴリー」で分類され「家具店の大型化」が進んでいました。しかし、家具というものが一般家庭に普及してしまった後、販売の方法が変わりました。
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- 現在の「家具店の代表」といえば、「大塚家具」などがその良い例として上げられます。商品カテゴリーではなく「ライフスタイル」で提案をしています。また、「シャルドネ」などの「カントリー家具の専門店」も登場しています。
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- 家電で言えば「掃除機」などがその具体例として上げられるかもしれません。本来機能優先の商品、小型化商品、簡易掃除商品、軽量化商品など、その用途によって大きく区分されるようになっていますし、家庭に「いくつもの掃除機」が存在する状態となっています。
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- これらのことは、独特のものであり、今の時代はこのような商品がほとんどなので下に別節を設けて説明していきたいと思います。
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(4)若返り商品
多くの「新商品」の実態
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- 商品の「若返り」というものは、商品が「成熟期」から「衰退期」にかかり、成長力が乏しくなった時、商品に新しい成長力を持たせるために行われる商品改良のことです。若返り商品もまた、新商品の一種であるといえるでしょう。
- 現代においては、全く新しい発明によって生まれてくる商品を除けば大部分の新商品は、この「若返り商品」であるともいえるでしょう。区分をしていけば、多くの区分が見られるのでしょうが、実質的には「需要衰退気味の時に作られる改良商品」が、若返り商品としての意味合いだといえるでしょう。
- 商品の衰退は、技術革新、代替え商品の登場、習慣の変化など、競争社会の原理原則として生まれてくるものです。当然、後戻りすることはありえません。これは時間が進むに伴って自然発生的に起こりえる現象だといえるでしょう。
- 従って、乱暴な言い方をするならば商品を若返らせるということは、人間の寿命と同じく、商品寿命を延ばすことに過ぎないというのが実態ではないかと思います。例はいくらでもあるのですが、ここでは紹介を控えたいと思います。
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(5)新商品と呼ばれるもの
現在「新商品」と呼ばれているもの
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- 本来の意味合いで「新商品」というものを考えると「画期的な大発明による衝撃的な価値観の変革にともなった商品」ということになります。馬車が輸送機関だった頃の「蒸気機関」、蒸気機関が一般動力だった頃の「ガソリン期間」、ガス灯が一般照明だったころの「電球」、電球が一般照明だったころの「蛍光灯」といった大発明によるものが、本来の【新商品】という意味合いとなります。
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- 現状でいえばコンピューターの「インテル」や、照明の「LEDライト」が歴史的大発明といわれています。しかしながら「歴史的大発明」が、そうそう頻繁に起こり得るわけではありません。これは、希に見る際だった例なのです。
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- 現状の社会で、今日よくいわれるところの「新商品」は、この定義からは少しズレています。商品の成熟期に生まれる「モデル・チェンジ的な商品」を現状では「新商品」と呼ぶのが一般的な状態となっています。この節では、この「モデル・チェンジ的な新商品」も含め、今日の「新商品」というものを見直していきたいと思います。
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- 自動車を始め、携帯電話やテレビなど「ハード商品」と分類される商品群ではモデルチェンジは頻繁に、いや、激しく行われています。歴史的な好例はいくつもあるのですが、その代表として洗濯機があげられます。
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- 1953年 角形の噴流式洗濯機が日本に初登場
- 1956年 反転渦巻き式洗濯機が改良新商品として発売
- 1958年 手動絞り機内蔵型洗濯機が改良新商品として発売
- 1963年 脱水機能付き2槽式洗濯機が発売となる
- 1965年 全自動洗濯機が発売となる
- 2003年 乾燥機能付き一層型全自動洗濯機が登場
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- ここに記したものは、フル・モデルチェンジにあたるもののみを列記してあります。マイナーチェンジに該当する商品を含めると何十種類の改善型商品が登場したことになります。
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- モデルチェンジの歴史
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- そもそも、モデルチェンジを新商品と扱った始まりは、1960年代にあると言われています。その出発点となったと言われているものこそ1964年に発刊されたアメリカの広告業界誌「プリンターズ・インク誌」の特集=「新商品のマーケティング」という特集号です。
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- この中に新商品ブームというものが特集で紹介されています。アメリカでは1955年ごろから、この「マイナーチェンジ」というものがきわめて活況を呈していると紹介してあります。さらに、そこには2つの要因があるとも紹介してあります。
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- 第1の要因は、技術の飛躍的な発展が新商品をもたらしている。そこにはエレクトロニクス技術の飛躍的な進歩、合成樹脂技術の飛躍的な進歩、さらに薬品の驚愕的な進歩の3つが代表的な進歩として紹介されています。
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- 第2の要因は、商品供給が行き渡った後の「物余り社会」での「マーケット(市場)の細分化」によってもたらされていると紹介されています。商品の供給に余裕が生まれ、エンドユーザーの欲求が個人的なレベルに達したことで、供給が満たされた多くの商品の商品の特性に対して分化し始めているとレポートされています。
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- 当時のアメリカでは、テレビもカメラもどんどん種類が増えたと記されていますし、チョコレートやガムも何十種類も増えたという記録が残っています。これが50年近く昔の話だというのですから驚きです。
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- 特に、チョコレートやガムについては、香りや味、大きさや形、といったものがエンドユーザーの個人的な多くの好みに対応して、限りなく作られていたというのです。
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- つまり、新商品ブームというものは、50年近くも昔から、このような2つの要因の組合せによって作り出されてきたのです。さらにいえば、同時に新商品といわれるものは企業成長の大きなカギを握っていたこともハッキリしてきます。
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- 新商品ブームが起ったことの本質的な要因は、企業を成長させようとする猛烈な「メーカー側の欲求」によって生まれてきたという「資本主義の宿命」が背中合わせに存在していた事実も見逃すわけにはいかないでしょう。
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- 話は横道にそれてしまいますが、日本の広告業界誌「宣伝会議」のモデルベースになったと言われる1888年創刊のアメリカのマーケティング近代の進化を示し続けた「プリンターズ・インク誌」は、1960年代半ばをもっていったん廃刊となってしまっているようです。
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- 後に「マーケティング・コミュニケーションズ」という名前に改名し、1972年まで出版されたと言われていますが、マーケティングに関するよほどの資料のコレクターでない限り、この古書となってしまった文献を持ち合わせている人がいないのが残念でなりません。それほど、当時のアメリカは、工業化された産業が発達し、情報産業にまで至っていたということなのでしょう。
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- 急成長企業は新商品で勝負してきた
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- 日本では、インターネット企業が大いに活躍を初めています。日本における成功企業のシンボルと言われているものが「プロ野球の球団」を所有することだそうですが、2010年の時点で「ソフトバンク(Yahoo! Japan)」と「楽天」がプロ野球の球団を所有しています。
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- この2社は、ここ10年プラスアルファーで急成長した企業です。そして、こういう急成長している企業には、昔から共通項が存在しているのです。好例となるものは、やはり50年以上前のアメリカにあります。
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- この当時に生まれ、高度経済成長期に活躍し、すでに現役をリタイアされている団塊の世代に生まれたコピーライターであれば、求人広告のための「企業ブランディング広告の名作」が60年近く昔にアメリカで新聞掲載されたことをご存知だろうと思います。
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- 1954年、ゼネラル・エレクトリック社が新聞に掲載した広告の有名なキャッチ・コピーはこうです。「新商品が45000もの新しい仕事が過去10年の間に生まれました。現在、我が社で働いている人の20%は、10年前には存在しなかった仕事のために働いています。」
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- 現在でも流通店の店頭で購入することができる、私の大好きな缶入りスープ「キャンベル(Campbell soup)」(私の好物は、Clam Chowderですが)は、1963年に2060億円のスープを売った当時の急成長食品メーカーです。この時、売上の1/3は、過去10年に作られた新商品だったのだそうです。
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- ちなみに、この会社が生み出した新しい仕事とは、当時流行した「ペーパー・エプロン」の制作(2缶購入した人に、1ドルで提供していたらしい)や、1900年頃から作られていたインスタント・調理缶を推奨するカンタン調理レシピ本「ヘルプ・フォー・ザ・ホステス」の拡大販売のための編集作業だったと言われています。
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- こういった企業急成長の歴史的好例は、日本においても数々存在します。過去の代表的な例は1940年代から1970年代にかけて、恐ろしいほどの急成長をとげた「本田技研」、「ソニー」などです。
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- 1970年から1980年代後半にかけて急成長した企業の代表といえばゲーム玩具メーカーの「ニンテンドー」や、KDDIの大株主でもある精密機器製造メーカー「京セラ」などです。
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- どの企業も「大発明」と言われる「新商品」をドンドン発売し、マーケットに合わせた「顧客創造」のための「新しい仕事」を産み出し続け、急成長を成しえた企業だといえます。逆の言い方をすれば、急成長するならば「マーケットにおける顧客創造の仕事」を産み出すための「新商品」をドンドン作り出すことが必要になるということなのでしょう。
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- このように「新商品」を産み出すことが「企業成長の大きなカギ」となるのですが、「新商品」という言葉が、あまりにも広い範囲で使われているために、考え方に混乱を招いてしまっているようです。
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- つまり、革新的な発明による新商品も「新商品」と呼ばれ、パッケージの色を変えただけ、味付けを少々変えただけでも「新商品」と呼ばれていることが「混乱の原因」となっているのです。そこで、これらを「整理区分」することが必要になってきます。
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- 新商品は、なぜ売れるのか
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- 「パッケージ商品」においては、新商品は不思議に売れる傾向にあります。多くのメーカー経営者が口を揃えて「新商品は必ず一度だけ売れる」のです。この言い回しは、かなり乱暴なものですが、統計的に見てみると、確かに新商品は必ず一度だけ売れる傾向にあります。
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- 加えていうならば「飲食店」などもまた、オープン当初は必ず人が大勢「開店店舗」を利用する傾向があります。統計的に見てみると、はやり「開店店舗には一度は訪れる」というエンドユーザーの傾向があることがわかってきます。
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- ドラッグ・ストアーに並んでいる「一般常備薬」の購買動機を購買動機の調査結果にも「新しいから買った」という人が多いことに驚かされる事実があります。
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- 衝動買いされる商品カテゴリーにおいては「一度購入してみたい」「一度試してみたい」「話のタネにしたい」といった「好奇心」が衝動買いの要因=購買理由となっているようです。
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- もっとも、新商品が一度だけ売れるというのは「パッケージ商品」のことです。リピート購入することのできる低価格商品でなければ「ちょっと買ってみる」という機にはならないかれでしょう。
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- その「衝動買いの理由」は何かという調査によると「広告にって知った」という理由が一般的には多いようですが、それは「きわだった一部の例」に過ぎないのです。大多数の商品は、広告による告知ができない場合がほとんどですし、それでも売れる新商品は数多くあります。
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- 「衝動買いの最大の理由」が「パッケージ・デザインによるイメージ」であることは否めないのです。逆にいうと「広告展開をした商品」であっても「パッケージ・デザインのイメージが良くない商品」は、一度売れただけで売れなくなってしまうという統計結果があります。
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- そういう理由で「パッケージ商品」は、「衝動買い商品」または「心理的(デザイン・イメージ)商品」と呼ばれているわけです。
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- 技術変化と新商品の関係
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- 現代における広範囲の商品を意味する「新商品」という言葉の意味を、改めて「商品特性ごとに区分して整理」していきたいと思います。新商品のタイプを区分すると、大きく3つに分けられます。
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- a)「革新的な新商品」
- b)「フルモデル・チェンジの新商品」
- c)「マイナー・チェンジの新商品」
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- 革新的な商品というものは、技術革新や研究開発によって産み出されるものです。たとえばプラスチックなどは技術革新によって生まれた工業製品ですが、現在では、多くの企業によって生産されています。
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- ポラロイド・カメラやコピー機、ファクシミリなども同じでしょうし、フロッピーディスクやCD-Rといったものも技術革新の代表選手だといえます。CVCCエンジンやロータリーエンジン、ハイブリッド・エンジンなども同じように苦労を重ねて産み出された「研究開発製品」なのです。
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- 現代においては「カツラ」や「アンチ・エイジングの化粧品」「メタボリック対策商品」「ダイエット関連商品」なども、これらと肩を並べる「研究開発製品」であるといえるでしょう。
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- 「革新的研究開発製品」は、経済においても、生活においても大きな変化をもたらしてきました。しかしながら、モデル・チェンジされた「新商品」というものは、商品の次元や本質は全く同一のまま、部分的、デザイン的な変化をさせたものにすぎません。
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- にもかかわらず「モデル・チェンジ型の新商品」が、企業活動にとって極めて重要とされているのは、「モデル・チェンジされた商品」が「売れてしまう」という実態にあります。モデルチェンジによって商品が売れる要因には、次のようなものがあると言われています。
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- a)「新しい商品に対する着たいや好奇心によって売れる。つまり、旧商品に対する倦怠感から生まれてくる好奇心がその要因だとされています。」
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- b)「モデルチェンジによって、新しい需要を創り出している。モデルチェンジは商品の使いやすさ、不満の改善など改良が加えられていますから、従来使わなかった人たちも使うようになっていきます。たとえば、全自動カメラの登場は、女性の絶大的な顧客発掘を促したのです。」
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- c)「商品の消費促進化によって、買い替え需要を促進する形で売れる。新商品が登場すると旧製品は「一時代前の商品」となってしまいます。新型車が登場すると、旧型車の値段は驚くほど値下げされます。それほど新商品に対する心理的期待というものは大きなものなのです。」
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- 一般的にいって、モデルチェンジの新商品は、こういった理由から企業に重視されているのです。
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- 「ライフサイクル商品」と「モデルチェンジ商品」
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- 新製品とはいっても、ネーミングを変更したのみ、パッケージを変えたのみのマイナーチェンジの商品も多いのが事実です、新商品という言葉だけで商品の性格を決めてしまうのは、あまりにも危険なのです。
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- 「新製品」というものの定義は大きく2つに区分されるといえるでしょう。ひとつは「研究開発による時代を動かすほどの新機能商品」です。これは「従来のライフサイクル」によって販売強化支援されるべきものです。
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- もうひとつは「モデルチェンジ」によって生まれる「顧客の拡大」「顧客の掘り起こし」といった既存商品改善型の「新商品」です。この2つのうち、どちらの商品であるのかによって、その戦略は全く別のものとなってしまいます。
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- ここで、改めて「研究開発による時代を動かすほどの新機能商品」がどのように市場に供給されていくのか、需要がどのように変化していくのかを復習していきたいと思います。
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- 【ライフサイクルから見た「新機能商品」のマーケット変化】
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- 1)「導入機の始めからスタートする新商品」
- これこそが、本当の意味での「新商品」です。新商品におけるマーケティング戦略の典型ともいえるのが「このタイプ」なのです。
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- 2)「成長期に発売される新商品(分化型商品)」
- この時期に登場する新商品は、商品分化などによって需要の成長を促進するものです。携帯電話などのように、商品の種類を多く揃えておく必要がある説きは、導入機、成長期を通じて、少しパターンの替えたモデルがドンドン登場してくることになります。
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- 3)「成熟期に発売される新商品(差別化型商品)」
- 成熟期には需要の成長力が鈍ってきます。さらに競争も激化していきます。つまり、この時期に発売される商品は「競争力」をつけるための「差別化手段」を盛り込まれている商品ということになります。さらに、新しい需要、潜在需要層の掘り起こしのための商品であることが多いのです。たとえば、携帯電話の「I-Phon」は、ノートパソコン所有者を狙った「電子メールとインターネット機能」を重視した携帯電話機で、従来型の携帯電話機と差別化したのです。これは、この時期に発売される新商品の典型といえるでしょう。
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- 4)「衰退期に発売される商品(若返り商品)」
- この時期、または成熟期の高貴に発売される新商品は、商品イメージを若返らせ、新しい時代感覚、新しい時代にマッチさせ、需要の維持と拡大を狙って行われます。最近の例としては「meijiチョコレート」のリニューアル、サントリーウィスキー角瓶のソーダ割「ハイボール」などがそれにあたるといえるでしょう。
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- 姉妹商品と新商品
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- 企業には、一般的に何種類もの商品があります。したがって、ひとつの新商品をつくれば、企業内において、他の商品との関係から考え方や期待感が違ってきます。販売強化戦略に矛盾が起ってしまうことも少なくありません。
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- そこで、その「新商品」が、次の7種類のタイプのうち、どのタイプに属するかを判断しておく必要がでてきます。そうしなければ、企業活動をスムーズに行えなくなってしまうからです。
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- a)「新しい分野を開拓する本来の新商品」
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- b)「既存の主流商品にとって代るフル・モデルチェンジ商品」
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- c)「既存の主流商品にとって代るマイナーチェンジ商品」
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- d)「既存の主流商品のラインに追加される新商品(姉妹商品)」
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- e)「既存の支流商品にとってかわる新商品」
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- f)「既存の支流商品のラインに追加される新商品(姉妹商品)」
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- g)「一時的ブームを当て込んだ新商品(TVキャラクター商品など)」
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- 新商品といえど、このように技術的観点やライフサイクル的観点などと、自社商品との関係などから、さまざまな形でとらえることができます。そこに、その企業の体質や、シェアなどの競争条件の性格に下がって、新商品に対応する考え方を明確に把握しておくことが必要になってきます。
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- ここまでを明確に把握したうえで、よく用いられる法則が「ランチェスター理論」です。ランチェスターの理論は、1914年に発表された「軍事理論」ですが、日本においては弱者の巻き返し戦略として「経営戦略」で活用されてきました。
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- 主流商品であれば、その企業が「1番企業」なのか、「3番手の企業」なのかで、当然、戦略は変ってきます。支流商品であれば、その商品カテゴリーの中で、自社の新商品が、1番商品なのか、3番手の商品なのかで、当然、戦略も変ってきます。
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- そういった「エンドユーザーの商品イメージ調査」を、日本人の文化価値を加味したうえで「SD法」による調査などで、事前に充分に把握しておく必要もあります。
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- そのうえで、広告や店頭での販売促進(POPの表現)なども、「ランチェスター理論」のどの戦略を用いるかをハッキリさせたうえで「USP理論」を持ち込まなければ効率的な「販売強化のための投資」が行えなくなってしまうのです。
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- 消費促進化のための新商品戦略
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- 「消費促進化」というのは、旧来商品を使いたくなくしてしまうという戦略のことです。これは、商品が心理的なものになることに付随してきてしまうという心理が現象化してくるものです。
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- 商品を「機能的に便利になる道具」と見ている時代は「耐久性」が極めて大切なことでした。ところが、商品が「流行的で感覚的なもの」になればなるほど、まだ使えるものが捨てられるようになっていくのです。
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- 1番わかりやすいのは「女性の衣服」だろうと思います。一度着ただけで気に入らないと使わなくなって捨てられてしまうのが女性の衣服なのでしょう。それどころか「買ってはみたものの、やっぱり気に入らない」と捨てられてしまうことさえあります。
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- このように「商品を捨てさせてしまえば、商品が多く売れるだろう」というのが「消費促進化」という考え方なのです。最近では、この感覚が「普通」になってしまって、「もったいない」という言葉が昔とは逆の意味で「物珍しい言葉の象徴」として使われている御時世です。
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- 1900年頃、今から100年も前に「上流階級・特権階級の自動車」を作っていたアメリカのパッカード社の社長は、70年も昔、1940年ごろに、こんなインタビュー内容の言葉を発しています。
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- 「なぜコップの握り手は取れないように作らないのだろうか? 皿が一生涯使えるようなものであって欲しいと思って、1割以上も余計なお金を出して上等な皿を誰が買うというのだろうか。誰が欲しがるというのだろうか。
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- 大部分の主婦は、一年かそこいらで、新しい皿のセットを買う口実を求めているし、それを歓迎しているのだ。誰が永久に使える家具を欲しがっているというのだ。膨大な数にのぼるアメリカの中流階級は、そんなことは望んでいない。
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- 彼らは、最新流行の家具を欲しがっているのだ。家具、衣服、食器などは、ほんのわずかの費用をかけるだけで寿命をもたせることができるが、メーカーもユーザーも、同じものを使い続けることには、まるで興味をもっていないのだ。」
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- パッカード氏は、あまりにも皮肉な言い方でこのように論じていますが、これが記者に対するリップ・サービスのようなものでしょう。世界一豊かな国と言われた「当時のアメリカ市民の感覚」と、現在の日本人の感覚は、どこかでオーバーラップするようにも感じます。
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- 消費促進化という言葉からして非道徳的な臭いがしてしまいますが、この頃、パッカード氏は「浪費を作る人々」というタイトルの著書を発表しています。それまで長い間、アメリカにおいても「物を大切にする」という習慣がしっかりと残っていたのでしょうし「消費を促進する」という動きに罪悪感を感じた人も多かったのでしょう。
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- 確かに「物を大切にする」ことは大切です。しかしながら人間にとって、どこまでが浪費で、どこまでが道徳的なのでしょうか。「浪費」という言葉そのものでさえ今日では時代遅れの言葉になってきています。
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- 私たちは「労働時間の短縮」に躍起になり、レジャーを拡大して、この大国日本を成立たせてきているのです。働かない時間を増やし、生活に余裕を持ち、余暇時間を潰すために休日には観光地に人があふれかえっている昨今です。
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- 大袈裟な言い方をすれば「人生自体が浪費を中心に動いている」といっても過言ではないかもしれません。さらに、人々は、そのことを充分愉しんでいるわけですし、それをもって「人生」といっているわけです。
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- 良いこと、とか、悪いことという道徳的な価値観にかかわらず、社会はそのように動いてきました。200万円もする自家用車は、わずか数年で廃物化されているようにモデルチェンジが繰り返し行われています。その感覚は、まるで「女性が衣服に向ける感覚」と同じ感覚なのです。
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- パッカード氏は、こうもいっています。「自動車産業は、女性ファッションのスタイリストをマネれば、売上が増加できはしないかという考えに飛びついた最初の大きな産業であった。」これを、今から70年も昔に言い放っているのです。
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- こういう歴史的な背景があると、「商品=物体」という風に考えること自体がナンセンスに思えてきます。商品というものは、物の形をした「欲望」であり、「感情」であり、「消費をする人の人格の一部」なのです。
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- 話が随分横道にそれてしまいました。そろそろ「消費促進化」について、まとめていきたいと思います。「消費促進化」という戦略には3つの考え方があります。
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- a)「第1は、機能の消費促進化。よりよい機能を持った新しい商品が開発して、現在の商品を流行遅れにする戦略」
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- b)「第2は、品質の消費促進化。比較的短期間にある時点で商品が壊れるか、あるいは消耗してしまうように計画する戦略」
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- d)「第3は、心理的にそれ以上使いたくない、つまらなくなったように感じさせる戦略」
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- 自動車やパソコン、携帯電話といった高額商品でさえ、心理的な消費促進化は可能なのです。
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はじめに | |
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第1章 | |
第2章 | |
第3章 | |
第4章 | |
第5章 | |
第6章 | |
第7章 | |
第8章 | |
第9章 | |
第10章 | |
第11章 | |
第12章 | |
第13章 | |
まとめ |