「加納 光」の Blog

「マーケティング」に関するメモ



2016.05.31

長期戦略

By Kanou Hikaru

.

.

.

.イメージ
 .
 .
 .

「長いタームで戦略を組む」

.
.
25年ほど昔の話になります。1年弱 の期間ですが、私は勤務先の百貨店の香港支店に海外 出向勤務をした経験があります。(その海外店舗を経営していたのが香港に立ち上げた系列の小会社だったので出向という形になりました) 

当時の香港は、まだイギリスの管轄下でした。こういう話をすると「英語がスラスラと話せるんじゃないか?」とカン違いする人もいらっしゃるようですが、残念・・・
 
当時、私は現地の人たちが使う崩れた英語(ホンキートーク)でごまかしていた・・・というのが実態です。未だに、そうだと思いますが・・・ 

香港では「英単語の後」に 広東語の疑問符の「マァ?」をつければ、香港英語の疑問語が完成します。「ディスカウント・マァ?」で「安くなりませんか?」という具合・・・ そういう話し方で ホンキでトークしていたのです。(駄洒落です ♪♪)
 
街の雰囲気というか、匂いと言うか・・・そこに漂う空気は現在の「中国に返還されてからの香港」とは、少々違っていました。何がどう違っていると説明すれば良いのか・・・ 

たぶん「香港」という「東洋人が多い ひとつの西洋国家」が東洋の中にポツンと存在していて、その国家の人たちは「他国籍民族国家の 香港人(ホンキー)であること」に、もっと高いプライドを持っていた・・・といった感じでしょうか・・・
 
大阪のド根性商人の人たちが、もっとエスカレートして過激になったような「儲かってなんぼ・・・」という感覚をマル出しにした人たちが、わんさかと街中にあふれていたように思います。

売上ノルマで給料をもらっている人は、接客するべき場所で 当たり前のような顔をして出前のラーメンを食べていたりしたのです。
 
実際に、宝石を売っている店のガラスケースの上で、ラーメンを出前でとってズルズルと食べている女性店員さんの姿を見ると、呆れるやら 凄い仕事への情熱だ・・・と感心するやら・・・ 

話を聞くと「メシを食べている間にお客さんが来たら 自分の取り分が減る」とおっしゃる・・・ 

凄いもんですね。商店街も無計画・・・キャバクラの隣が学習塾だったり・・・ 空き物件があれば、色々な商店がドンドン入ってしまう元気いっぱいの街でした。
 
露天で売っている商品も、もっとシャレがきいていました。現在のような「誰かを騙すためのコピー商品」でなく「パロディー風 コピー商品」とでも呼べるような 安価な商品ばかり・・・ 

「ロンジン」のコピー品が「ロンドン」・・・ 「ダンヒル」のコピー品が「ダンキル」( h のところが k に)・・・ 「クレージュ」のコピー商品が「クレーキュ」( g のところが q に)・・・
 
こういう具合に「本物じゃないよ」「すぐ壊れるよ」と店先の人たちがチェメッ気たっぷりで、そういう「パロディー商品」を安価で販売していたのです。

そして、そういう「パロディー商品」を購入する 世界中の人たちも「おもしろい・・・ こういうパロディがあるんだ・・・」と「バカ受け」しながら、そういった「パロディー商品」を「関西人が笑いのネタを購入するような感覚」で購入していたのです。
 
そういう商売をしている人たちを、著作権にうるさい 香港という国を 管理している 英国の役人たちも「パロディのオモチャだからねぇ・・・」と、なかば呆れて笑いながら許している「おおらかさ」がありました。

作っている人たちも「著作権を侵害したら怒られる・・・捕まる」と、しっかりと 世界基準 を理解した上で、愛嬌いっぱいの「パロディー商売」をしていたように思います。
 
腕時計にしても、ネックレスにしても、バッグにしても、コピー品とはいえ、良く見ると「オモチャ」と思えるような品物だったり、パッと見「本物かな?」と思えたりするのですが、じっくり見ていると「笑えるコピー品」だったり・・・ 

そこには英国風の「ウィット」に似た「これなら笑って許すしかないぞ・・・」と思わせるセンスが感じられたのです。
 
街の様子も今の香港ほど近代的ではなく、私たち日本人が絶対に足を踏み入れてはダメ・・・と誰もが一瞬で察することのできる「ガイロン」(「九竜(クーロン)」という名で有名ですが、地元の人は「ガイロン」と言っていました)と呼ばれていた地区などが残っていました。

近代的な街の中に、ポツンと・・・ その一角のみ時代に取り残された「軍艦島が未だに街として機能し続けている」のような感じの場所でした。
 
当然、怖わすぎる場所だったので、私は足を踏み入れたことはありません・・・ その場所は「犯罪者の隠れ家」として黙認されている場所でもありました。

もし、そこに行って 恐喝にあったら、そこに行った人間がバカ・・・ 殺されたとしても、そこに行った あなたがバカ・・・と警察から言って捨てられるような「無法地帯」が本当に存在していたのです。
 
ある時、香港の友人から「ジャッキーチェンの映画の撮影があるから、撮影現場に一緒に行こう」と誘われたことがあります。

連れて行かれた バラックの一角 で、映画のスタッフが そこに住んでいる人たちと交渉をして現金を渡していました。そこに住んでいた人たちは、現金を受けとると 大きなカバンに荷物を詰めて 当たり前のような顔をして家を出て行くのです。
 
そして、しばらく そういう交渉が続いた後、そのバラック一帯の人たちが誰もいなくなったことを確認すると、映画のスタッフがぞろぞろと集まりだし、メガホンから「ツォンベイ(用意)」・・・

「スタート」と大きな声が鳴り響いたかと思ったら、その一角にジャッキーチェンさんの乗った自動車が 当たり前のように突っ込んで来たのです。セットを使うのではなく、その一角を 買って撮影をしてしまう「香港スタイル」に衝撃を受けました。 
 
その一方で、市内では 日本から来た新しい商品が大ブームになっていました。カンバンには「熱帯美人魚」と書いてあり、その小さなお店の前に大行列が・・・ 販売していたのは「鯛焼き」・・・ 

「美人魚」というのは「鯛」のことで、「熱々の鯛の形をしたもの」ということで「熱帯美人魚」という名が付いたのだとか・・・ とにかく、香港に住んでいる人は全員が「命がけ」で生きていた・・・ そう思います。
 
香港に勤務したことがきっかけで、ある華僑の要人の方と知り合う機会に巡り会うことができました。現在は、政治的な問題で、中国に対して良いイメージを持ち合わせている人は多くないと聞きます。

しかし、当時の私は、香港においては、いわば「香港に出稼ぎに来た日本人のグループ=和僑」としての扱いを受けていましたから、華僑の人たちの気持ちがとても理解できたのです。
 
その当時、世界中に華僑系の人たちは1億人近くいる・・・と、その要人の方から教えていただくことになりました。

冷静に考えると、日本国民に匹敵するほどの人口です。その要人の方は「これからは、日本人と華僑の人たちが、どうパートナーシップを組むかでアジアだけでなく世界のキャスティングボードを握ることになるかが決まる」とおっしゃっていました。
 
何より、華僑の方々の「取り組むための哲学(考え方)」に衝撃を受けたのです。

「何事も、やってみなければわからない。初回の取り組みは、どのような相手かを知るためのもの・・・他のことは一切考えない。しかも、儲かると確信が持てたら次のステップへ・・・」
 
「自分の代でトントンならば、それはラッキー。むしろ、知り合いたい相手は先々取引をする相手として、心の底から信用できる相手・・・ 

本当に儲けさせてもらうのは、息子の世代・・・ そのように考える・・・」この話を聞いた時、「中国3千年の歴史」・・・という言葉の重みを実感として思い知ることになりました。
 
日々の売上、各週の売上、毎月の売上・・・ そういうノルマを抱え、今回の取引でいくらの儲けになったのか・・・ 戦々恐々としていた自分にとっては、まさに「衝撃」とも言えるものでした。

「時間の尺度」が、せせこましい自分とは、次元が違っていたのですから・・・ これが「中国が眠れる虎」と言われる所以・・・ そのように感じたのです。
 
華僑系の方々の「ビジネスにおける底知れない奥深さ」の一端を垣間見た・・・ 私にとっては、まさに「一生忘れ得ることのできない機会」となったわけです。確かに「儲け」は、そのターム、サイトの問題や、何をもって儲けとするのか・・・という目的の問題抜きでは語ることができません。しかし「損して得とれ」という感覚を、これほど長いタームで考えている人たちが存在している事実・・・
 
そういうコトがあった数年後、世界中に「損して得とれ戦略」で大成功する企業が登場します。

「Windows95」を公開してしまった「IBM」・・・ 短期的にはソンだとわかっていながら、世界中に互換機メーカーを育てたのです。

そうして生まれた社会こそ、まさにコンピューター王国・・・ その勢いで、全体のマーケットを拡大し、その中での絶対的な地位を確立していったのです。
 
その当時、香港勤務から戻っていた私の周りには「儲けという目的=即、目の前の手段である」と、履き違えた「ゴルフ会員権の売買」や「不動産の土地転がし」などをしていたバブル経済の申し子たちが、たった数年単位の儲けで、一生を・・・ いいえ100年単位での会社の信用を棒に振った人たちが、たくさんいらっしゃったのです。
 
正直、現在の「中国という国家」が、100年先、次世代を見越した政策をしているかどうか・・・ という疑問が無いと言えばウソになります。

しかし、そういう「大人物がいる」という「個人という物差し」で見た場合、中国という国を軽んじてはならない・・・ と、私個人は、そのように思っているところがあります。
 
現在、世界中に、日本国民の人口をはるかに越える「華僑」と呼ばれる人たちがいて、あちらこちらの「華僑街」には、こういったことを考えている「たくましいリーダーの存在があること」は否めない事実だからです。

そして、日本人もまた「和僑」として 多くの商社マンなどが各国に「日本人エリア」を作っています。
 
そういう「和僑」を送り出している企業もまた「自分の代でトントンならば、それはラッキー。むしろ、知り合いたい相手は先々取引をする相手として、心の底から信用できる相手・・・ 本当に儲けさせてもらうのは、息子の世代・・・ そのように考える・・・」という方針で動いている事実もあるわけです。
 
はてさて・・・ 自分もまた「自分の代でトントンならば、それはラッキー。むしろ、知り合いたい相手は先々取引をする相手として、心の底から信用できる相手・・・ 本当に儲けさせてもらうのは、次に会社を任せる人の世代・・・ そのように考える・・・」

こういうことが、できているのか? 本当の意味で「ソンしてトクをとること」が出来ているのか・・・
 
どうぞ、みなさんも「そういう長い目」で、一度 自分の仕事を見つめ直してみてください。

そういう「長いターム」での尺度も持ちあわせた上で、色々と考えてみると、日々の「ジャッジ」が かなり変わるように思うのです。




ホンキで売上を上げたいのであれば、ここに紹介したノウハウの詳細をゆっくりと読んでいただければ・・・ そのように思います。ホンキで解説していますから、とっても長文ですよ・・・

「商売上手の共通項紹介 シリーズ投稿」

.
.

まず 売れる人を 育てる
それが 成功の秘訣



加納光のblog_マーケティングメモ

加納光のblog_徒然に思うこと

フェースブック



事務局へのお問合せ お申込み

ページの先頭へ