「加納 光」の Blog
「ふと感じたこと」
2016.02.18
オトナの話
By Kanou Hikaru
コンサルタントという職業
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50代なかばの「業績向上の人材育成コンサルタント&業績向上ビジネスセミナーの講師」言わば「うまくいく勉強会の せんせぇ」という仕事をしている「おっちゃん」には、これから日本を背負って立つ若い人たちに理解しておいてもらいたいことがあります。
コンサルタントという仕事は、いわば「仕事で困ったことの解決方法を本人の代わりに探す」という「代行業」です。ビジネスセミナーの講師という仕事も、いわば「経営は上手でも伝えたいことを伝えることが苦手な経営者が伝えたいことを、経営者の代わりに伝える」という「代行業」でしかありません。
コンサルタントという仕事、ビジネスセミナーという仕事をしていると、多くの人が私のことを「せんせぇ」と呼びます。私は、自分のことを「先生」などと思ったことはありません。最初は「先生」などと呼ばないで欲しいと言っていたのですが、相手を否定するのも申し訳なく思いました。
そこで「せんせぇ」という「あだ名」が付いたんだ・・・と思い込むことにしました。コンサルタントは偉い・・・などと思い込んでいる人が多いようですが、コンサルタントは職位ではなく「代行屋」という職種です。もっと言えば「社長」という仕事も職位ではなく職種・・・
そのように考えていらっしゃる経営者から代行業務のご依頼をいただくことがほとんどです。自分は社長だから偉い・・・と考えていらっしゃる経営者のかたとは、どうやら「波長」が合わないらしい・・・ そもそも「経営者」というのは「チームプレーの中心人物」です。
たとえば経営者を野球でいえば、ゲームを組立てる「キャッチャー」のような役目でチーム全体を調整しながら、自分もプレーをしている人です。コンサルタントという仕事は「雇われコーチ」のような仕事です。コーチは練習には付きえますが試合に出ることはできません。プレーヤーではないのです。
世の中の多くの人が「社長はスーパーマンで、キャッチャーもできるけど、コーチもできる」と思い込んでいるようです。確かに、そういう器用な経営者も「ごく一部」いらっしゃいます。しかしながら、多くの経営者は「経営」という試合に参加しているプレーヤーで、コーチの仕事は苦手なのです。
社長という仕事をしようと思ったら会社を立ち上げさえすれば、すぐに社長になれます。コンサルタントという仕事をしようと思ったら「自分はコンサルタントだ」と名乗れば、その瞬間からコンサルタントになれます。ですから、社長もコンサルタントも誰でもできる仕事です。
しかし、誰もが「もうかる会社の社長になれる」わけでもなく、誰もが「アドバイザーとして依頼されたら必ず業績が上がるコンサルタントになれる」わけでもありません。世の中にある仕事には「学校のテストの模範解答のようなもの」はありません。
なぜなら、会社を支えている「お客さん」は、常に「一番マシなもの」「一番不満の少ないもの」を望んでいるからです。会社を支えているのが「社長」だなんて思ってはいけません。これは大きなカン違いです。社長の給料だって「お客さん」が払った売上の中の利益から出ています。
「売れる商品」というのは「お客さんが思わず買ってしまう商品のこと」です。「売れるセールスマン」というのも「お客さんが思わず買ってしまう販売担当者のこと」です。そして、お客さんは「いつも、一番不満の少ないもの」「いつも、一番不満の少ない販売担当者」を望んでいます。
今まで一番不満が少ない商品を提供していたとしても、競合企業がもっと不満の少ない商品を出してきたら、そっちを買います。今まで出会った中で一番不満が少ないセールスマンから買っていたお客さんも、もっと不満の少ないセールスマンと出会ったら、そっちの人から買います。
「売れるポイントがあればカンタンに売れる」とか「営業には、誰にでもできるようになるコツがある」なんて話を良く耳にしますが、25年間そんな研究ばっかりしていると「そんなデタラメがあるわけがないこと」が解ってきます。誰もが「常に勉強をしていないと、すぐに売れなくなる」のです。
仕事は学校の勉強とは違います。学校には教科書がありました。テストには模範解答がありました。しかし、仕事に教科書はありません。あるとすれば「直接、お客さんに聞いた不満を素直に反省する」か、「自分より上手に仕事をしている達人技を直接見に行って盗む」以外に方法がないのです。
結局のところ「不満がより少ないもの」「不満がより少ない人」が支持されている。他には何もないのです。「売れていない焼き肉屋」には不満の要素がたくさんあります。「売れている焼き肉屋」は、売れていない焼き肉屋にある不満を全て工夫して取り除いています。それだけの話なのです。
実績が出せるコンサルタントになりたいと思えば、10年くらい「あちらこちらの不満解決の工夫」を探し回って、自分の中にストックを貯めていけば、誰でもできるようになると思います。不満を見つける。その不満を解決している達人の工夫を探す・・・ これだけのことを年がら年中やっていく、それを10年くらい続ければ良いだけです。
学校には「模範解答を教えてくださる先生」がいました。しかし、仕事には不変の模範解答は存在しません。便利なものが登場したら、もっと便利にならないかなぁ・・・と考える人が、たくさん出てくるからです。勉強は習うことができても、仕事は習うことができません。仕事は自分で達人の工夫を見て自分で学ぶ以外に方法がないのです。
他の人が見落としそうなことでも、見逃さないように学ばなければなりません。そのためには「同業の人が気づく前に、同業者がまだ気付いていない、お客さんの小さな不満を見つけること」が必要になります。その不満を解決している他の業界の達人を探して解決の工夫を探し出し、達人の手元を直接見て学ぶ・・・こうやって、工夫を積み重ねていくしかないのです。
社長やコンサルタントというのは、地位ではなく職業です。それは、どんな「役職」でも同じ・・・ 役職は「職種」でしかありません。「上司の言うことは、ちゃんとやっているのにイチイチ怒られる」と、仕事で落ち込んでばかりいる人が、やらなければならないことは「上司より、お客さんを優先すること」・・・たったこれだけです。
役職が何もない人も「お客さんを喜ばせる仕事」をする人です。「役職が何もない人」と「主任」では「お客さんの喜ばせ方」が違っています。係長も部長も取締役も、それぞれ「お客さんの喜ばせ方」が違っているだけで、結局「お客さんを喜ばせている」のです。そう考えて仕事をしているうちに「上司の言っている言葉の真意」を理解することができるようになります。
社長の給料を払っているお客さんより、自分の上司を優先する・・・ そんなことをしている限り、いつまでも叱られ続けることになります。上司の言う通りに仕事をしているのにイチイチ注意されてしまう時は、自分が「上司のゴキゲンを取ってさえおけば良いだろう」と「手抜き」を考えているから・・・ これさえ理解して、自分の行動に注意しておけばドツボにハマってしまうようなことはありません。
世の中には、確かに色々な組織があります。お客さんのことより自分のことを優先する「威張る役職者」が多い組織は、近い将来、その組織そのものが崩壊してしまいます。組織に在籍する人、全員が「お客さん」のほうを向いている・・・ これが「普通の組織」「生き残っていく組織」なのです。
「ホンモノの上司・理想の上司であるかどうか」を「見抜くバロメーター」があるとすれば・・・ 「お客さんの不満を減らす方法を、自分よりも多く学んでいる相手から、謙虚に学び取ろうとする姿勢がある」かどうか・・・ ベテラン選手と今の自分を比べて、自分で勝手に今の自己を反省して、自分に気合いを入れているかどうか・・・ ということなのでしょう。
今日の話は、少し難しい内容かもしれません。ごめんなさい。
・・・というのが「50代なかばの おっちゃん」が25年間「多くの成功者の特徴」を研究し続けて見つけた「誰もが成功する秘訣」だったりするのです。試行錯誤の実験で確認してますから、けっこう当たっているんですよ。
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