「加納 光」の Blog

「マーケティング」に関するメモ




2016.06.03

ブランディング

By Kanou Hikaru


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「CSR・ISOへ取組む意味」

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「どうして自分のところの商品だけが売れないのか?」「どうして競合の商品ばかりが売れるのか?」「どうすれば自分のところの商品が売れるようになるのか?」この疑問にマジメに取り組んでいるうちに、アッという間に35年が経っていました。私が探求しているのは、この3つのテーマ・・・ まとめると「売れるということ」についての研究です。

逆に、私から知人に「こんな質問」をすることもあります。「どうして自分のところの商品だけが売れないと思いますか?」「どうして競合の商品ばかりが売れるのだと思いますか?」「どうすれば、あなたの扱う商品が売れるようになると思いますか?」・・・ すると、多くの場合「自社にブランド力があれば良い」という答が返ってくることになります。

さらに「あなたの会社のブランド力って、どうすれば強くなると思いますか?」と質問をするのですが、この質問をすると、必ず誰もが「・・・・」とフリーズすることになります。

とはいえ、世界中から「メイドインジャパン」「ジャパンサービス=おもてなし」こそ「ジャパン ブランドの証」などと賞賛されていたりもします。

今回は、この「ブランディング」についての話をしたいと思います。

「ブランド強化」「ブランド力の向上」「ブランディング」・・・ 色々な言い方はありますが、どれも同じです。

ザックリした言い方をすれば「企業としての信頼度を高め、他の競合との絶対的な差別化を図る」ということになります。ここでは「ブランディング」という言い方で統一して話を進めていくことにします。

ブランディングには、いくつかのステップがあります。まず最初のステップが「CSR」と呼ばれているステップ・・・ 英語で正しく書くと「Corporate Social Responsibility」日本語に訳すと「企業の社会的責任」となります。

概略としては「企業は利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任を持ち、企業にかかわる全ての人たちからの要求に対して適切な意志決定を行う」といったことになります。

日本では1970年ごろから「企業の社会的責任」という言葉がメディアに登場するようになりました。

そして、ISOの獲得・・・といったことがブームになったことは記憶に新しいと思います。最近では「ISO 26000」という言葉が経済界で注目されるようになり、あわせて「JIS Z 26000」という言葉も頻繁に使われるようになっています。

この感覚が日本でブームとなり、併せて「リスクマネジメント」「コンプライアンス(法令遵守)」「内部統制」といった言葉が、あちらこちらの企業で使われるようになっていますが、色々と そういう仕事に携わっている人に話を聞いてみると「何をやっているのか? その実態がわからないまま こういった活動をしている人」も少なくないようです。

日本では、この「CSR」という考え方が始まったのは西暦1700年ごろ、江戸時代の中期に京都で活動していた社会学者「石田梅岩」が「二重の利を取り、甘き毒を喰ひ、自死するやうなこと多かるべし」「実の商人は、先も立、我も立つことを思うなり」という言葉を使った記録が残っています。

また、近江商人の言葉に「売り手よし、買い手よし、世の中よし」の「三方よし」というものが残っています。かみ砕いていえば、この「売り手よし、買い手よし、世の中よし」の「三方よし」・・・という考え方と、その実践こそが「CSRの根幹」と言い切って良いように思います。

こういった「CSR」の考え方は、老舗企業と呼ばれる企業に家訓として多く残っています。有名どころは「三井グループ」の「宋竺遺書」と呼ばれる「三井家」家訓です。

「多くをむさぼると紛糾のもととなる」「不心得の一族は協議し、処分せよ」といった言葉に、その哲学が読み取れます。

また「住友グループ」の母体となった「住友家」家訓では「職務に由り自己の利益を図るべからず」「名誉を害し、信用を傷付くるの挙動あるべからず」「廉恥を重んじ、貪汚(どんお)の所為あるべからず」「我営業は信用を重じ、確実を旨とし、以て一家の鞏固隆盛を期す」と記されています。

メイドインジャパンのブランドは、まさに、この「CSRの実現」にあります。

ブランディングを行うのであれば、近江商人の言葉「売り手よし、買い手よし、世の中よし」の「三方よし」を企業をあげて実現しているからこそのもの・・・ 他国で作られた物との絶対的な違いは「そこにある」と言い切っても良いのかもしれません。

次の段階が「CSRを実現した上での企業シンボルへの取り組み」というステップです。「ブランド」と呼ばれている商品を提供している世界的企業は、例外なく「この2つめのステップ」に場所取りをしています。

たとえば、ルイヴィトンなどは、イギリスがインドを植民地にしていた時代から「インドの優秀な若者」に奨学金を与え、本国イギリスまで留学させて来ました。

この企業は「人との関わり」を重要視し「教育」という分野こそ自社の社会貢献するべき道・・・と、教育機関を作る、教育の支援をするといったことを実践し続けてきているのです。

他にも、こういうことを多く実践している企業があります。「ロレアル」という美容商材を扱うメーカーは「エイズ撲滅」に対しての支援をし続けています。

「美容師さん」は「美しくなりたい女性にかかわる仕事をしているから、美容師さんを通して女性にエイズの恐ろしさと防止を訴えられる」・・・ と、そのように考えたと言います。

エイズ対策の支援をしている企業といえば、もう一社・・・ 「アルマーニ」というイタリアのブランドもまたエイズ対策の支援をし続けています。

トラッド ファッション ブランドの「ラルフローレン」が「乳がん撲滅活動」を支援していることも有名です。また「カルティエ」が「途上国の子どもを守るためのチャリティーを行っていること」も有名です。

他にも「タイヤメーカー」の「ミシュラン」が、ドライブする目的の多くは「家族や恋人と 美味しい物を食べるため」・・・という考え方から「ヨーロッパの道の案内マップ」を基盤に「ミシュランガイド」を作り続けていることも有名です。あのミシュランガイドは、こういう企業活動の一環なのです。

さらに「黒ビール」で有名なイギリスのビールメーカー「ギネス」が「最高峰を目指すことこそ、我が企業の目的」・・・ という考え方から「ギネスブック」を作っていることは、あまりにも有名な話です。

ギネスブックは「本を売るため」ではなく「ギネス」というビールメーカーの企業のポリシーを世界中に普及するために作られているのです。

日本で、そんなことをやっている会社があるの? などと質問を受けることになりそうですが・・・ 有名な企業は「NEC」です。

高校技術専門学校対抗戦、大学対抗戦で有名な「ロボットコンテスト」の支援を行い続けていることは私どものようなマーケティング業界でブランディングにかかわっている人間ならば 誰もが知っていることだと思います。

また、日本の素晴らしさは「仏教の教え」「ご恩」というものにある・・・という哲学で長らく好調企業として経営を続けている「ミツトヨ」という「測量機メーカー」が神奈川の川崎にあります。

こちらの企業は、東京をはじめとする都市部の高級ホテルを中心に「和訳 英訳の仏書」を無償で配布し続けています。ホテルに泊まって「仏書」を見つけたら「ミツトヨ」の無償配布の本だ・・・と、この話を思い出してください。

当然、ここに紹介した企業の経営戦略は「CSRが実現した上での展開」という形を徹底して守り抜いています。

逆に言えば「CSRが実現していない状態で、シンボル的な取り組み」を行ったところで、誰も見向きもしてくれはしないでしょう。ザクッとした説明になりましたが、これが「ブランディング」というものの概要です。

日本においては、多くの一流企業の経営者が「四書こそ経営の教科書である」と言っています。「四書」とは儒教の教え「大学」「中庸」「論語」「孟子」という4冊の本のことを言います。

また「小学」という「これら四書の肝心な部分を抜粋した本」もあります。かつて江戸時代の日本の寺子屋で学ぶ子ども達は「読み書き」と「算盤」と、この「小学」を習っていました。

日本の学校が「小学」から始まり「大学」で終わるというのも、こういう歴史的な背景があるから・・・と言われています。

古い小学校に残されている「二宮尊徳」の像・・・ 薪を背負って本を読んでいますが、二宮尊徳が読んでいる本こそ、寺子屋で子ども達が学んでいた「小学」なのです。明治に入り「小学の教え」は「修身」という名の授業に変わりました。

もし、自分の会社の売上を上げたい・・・ ブランド力を強化したい・・・ そのように考えるのであれば「修身」というものにかかわる本を探してきて、みんなで「何ができるのか?」「企業として、何に取り組めるのか?」「社員全員が、やらなければならないことは何なのか?」そういう研究をしてみるのが最良の方法のように思うのです。

じゃぁ 具体的に どうやってブランド力を高めていけば良いの? という話になるのでしょうが、それは、すでに かなりホンキで書いたレポートとして 紹介してありますので、ここでは割愛したいと思います。ご興味がある方は、こちらのレポートを読んでみてください。




ホンキで売上を上げたいのであれば、ここに紹介したノウハウの詳細をゆっくりと読んでいただければ・・・ そのように思います。ホンキで解説していますから、とっても長文ですよ・・・

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まず 売れる人を 育てる
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