「加納 光」の Blog

「マーケティング」に関するメモ




2016.06.23

ネーミング

By Kanou Hikaru


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「ネーミング」というブランド戦略

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「1年半ほど前に脱サラをして個人事業主としてビジネスをスタートさせました。都会で流行し始めたものを地方に持ち込んだという形です。
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オープンして8ヶ月目くらいまではビックリするほど売上が上がったのですが、その頃から競合のお店がドンドン出てきて急に売上が下がってしまいました。
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どうにか売上を採算ベースに戻したいのですが、どうすれば良いのかヒントでも良いので教えて欲しいです」という ご依頼をいただきました。
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こういう話は、小さい事業でも大きな企業間にでも起こる話です。競争がエスカレートすればするほど「有望市場」への参入ラッシュは激化します。
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努力を重ね苦労して「新しい市場」を開拓したのに、創業者としての「うまみ」を たちまちのうちに他社に かっさらわれてしまう・・・ こういうことが、しばしば見られます。
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「たら・・・ れば・・・」の話ではありますが、もし、私どもが創業当初にコンサルタントとして顧問支援していたならば・・・ 
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市場の創業者として、他が参入してくる前に「市場のリーダーとしての地位をしっかりと固める戦略(ストラテジー)」を ご案内していたに違いありません。戦術(タクティクス)としては「代名詞化」の推進です。
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自分の会社や 自分の店舗が切り開いた市場を「自社の商品名=ブランド」で通ってしまうようにしてしまう・・・という、いわゆる「手口」を持ち込むわけです。
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これが市場に定着してしまうと、後から参入してきた企業の商品やサービスを、その市場の代名詞となった自社のブランド名に吸引してしまうことができるからです。
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この戦略を用いた例を古いところから紹介するとすれば・・・ コカコーラ社の「コカコーラ」、クライスラー社の「ジープ」、ニチバン社の「セロテープ」、ヤマハ社の「エレクトーン」、ミツカン社の「ポン酢」など・・・
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これらの商品名は、その市場の代名詞として、すっかり定着してしまっていますが、本来「特定企業の登録商標である」ということさえ知らない人も多いのです。
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この戦略を「狙ってやっているんだなぁ・・・」と思える企業といえば「SECOM社」です。「セコムしてますか?」というキャッチフレーズを全国に広めるために大がかりなCM展開を行いました。
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最近では「ほんだし」という 味の素 社 の商品が「代名詞化」され始めています。こういう話をすると「大きい企業は、そういうことが できるかもしれないけれど・・・」などと「やらないイイワケ」を言い出す人も登場しますが・・・
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ニッチな世界でいえば、旧名「福井ビニール」、現在の名称は「フクビ」という会社があります。この企業はビニールやプラスチックを加工して「建築用資材」を作っている企業です。
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代表的な商品が「家やオフィスの内装で使う、壁紙と天井の角を押さえるプラスチック材」です。建築の内装業界の人たちは、この建築資材のことを「フクビ」と呼んでいますし、それで誰もが「あぁ、あの商品だな」と理解できる状態になっています。
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競合他社も、これとまったく同じ商品を製造販売していますし、当然、他社の商品名は「違う名前の商品」ですが、「あなたの会社のフクビ・・・」と、職人さんたちは平気で会話を進めます。
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後に参入する競合企業は、たまったもんじゃないかもしれませんが、最初に「フクビ社」が切り開いた市場であることは、業界の誰もが知っているわけですからモンクの言いようもないのです。
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私の会社も、正しくは「商売科学研究所」と言いますが、正直、それでは通じないことの方が多い状態です。私どもが開催している代表的なセミナーは3つあります。
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1つは、商品開発マンのための「売れる商品開発塾」通称「ヒット塾」。2つめは、セールスマンや 店舗の販売スタッフのための「セールス 能力向上塾」通称「セールス塾」。3つめは、中小零細企業の経営者のための「社長のためのマーケティング塾」通称「繁盛塾」・・・
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たとえば「売れる商品開発塾」の受講者の人から弊社に「ゼミナールでの取り組み課題に関する質問の電話」がかかってきて、講師である私が不在だった・・・ 
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折り返し、そちらの会社の開発部門に電話して、その部署の受講者以外の人が電話に出た時に「商売科学研究所の加納です。○○さんから、お問合せの電話をいただいたのですが・・・」と言っても、なかなか通じない。ところが「ヒット塾の講師、加納です。○○さんからお電話をいただきました・・・」と言えば一発で通じる。
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これは、セールスマンを相手にした時も、中小零細企業の社長を相手にした時も同じ・・・ それがセールスマンなら「商売科学研究所の加納・・・」というより「セールス塾の講師の加納です」の方が話はスムーズに進みますし、中小零細企業の社長なら「繁盛塾の講師の加納です」のほうが話が早い・・・ 
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他にも「顧問契約」をしている会社であれば「経営コンサルタントの加納ですが、社長はいらっしゃいますか?」の方が 話が早く通じますし。
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マーケティング リサーチを依頼された会社へ電話をかける場合であれば「マーケティング調査担当の加納と言いますが、ご担当の○○さんは・・・」と言ったほうが、電話を早く担当者の方につないでいただけるのです。
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ここでお伝えしたいことは、私どもが扱っている商品は「ゼミナール」「コンサルティング」「リサーチ」という「無形のサービス商品である」ということです。
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特に「ゼミナール」に関しては、同業者のコンサルタントの間でも「ヒット塾の加納」「セールス塾の加納」と言えば「あぁ・・・ あいつか・・・」という話になってしまいます。きっと、これを「差別化」というのでしょう。
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結局、どんな商品であれ、どんなサービス商品であれ、自社の「登録商標となっているような 代表的な商品名」が、その世界で、その商品 や サービス商品 の代名詞となってしまえば、後追い競合企業の商品は、その代名詞にイメージごと飲み込まれてしまうわけです。
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最近、この戦略を用いて大成功を収めた商品が「サントリー社」の「角瓶」というウィスキーです。
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ここで「ハイボール」という「ウィスキーの炭酸(ソーダ)割り」について少々 説明をしておく必要がありそうです・・・ そもそも「ハイボール」という「カクテル」は「バーボンウィスキーをソーダで割ったもの」を意味していました。
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バーボンウィスキー以外のウィスキーを炭酸で割る時は「○○ウィスキーのソーダ割り」とオーダーしなければならなかった・・・ というのが「プロフェッショナルなバーテンダーの間の常識」でした。
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ところが、現在の日本では「ハイボール」=「サントリー社の角瓶という名のウィスキーのソーダ割り」という「新しい定義」が定着してしまっています。
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数年前までは、バーボンウィスキー以外のウィスキーを炭酸で割る時は「○○ウィスキーのソーダ割り」とオーダーしなければならなかったのに、今では、サントリーの角瓶 というウィスキー以外のウィスキーを炭酸で割る時に「○○ウィスキーのソーダ割り」とオーダーしなければならなくなってしまったのです。
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今回の ご質問 というか ご依頼 というか・・・ お問合せをいただいた事業者の方の「巻き返し作戦」は存在します。改めて「この商品名こそ 弊社の商品ですよ」と、経費をかけずに露出度を大きくして展開しなおせば良いだけです。
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そういう事例は古くから存在します。お土産街に「○○本家」といった「のぼり」が立っている店があったたりしますが、まさに、そういう展開を行えば、お客さんは「この店が発祥店、本家本元なんだ・・・」と認識するようになるわけです。
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詳細な戦略は、以前 投稿した この内容の「トマト銀合の戦略紹介」のところに記しております。その部分を、上手に読み取っていただければ嬉しく思います。巻き返しは可能ですし、むずかしくありませんよ・・・



ホンキで売上を上げたいのであれば、ここに紹介したノウハウの詳細をゆっくりと読んでいただければ・・・ そのように思います。ホンキで解説していますから、とっても長文ですよ・・・

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